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億万長者が注目しているAI株2銘柄:保有ポジションも大規模

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一般投資家にとって、著名投資家が採用している戦略を参考にするのは良いアイデアです。クリフ・アスネス氏は、そういったエリートグループに属しています。

アスネス氏は、自身で26億ドルの純資産を持つ億万長者であり、1,030億ドルの資産を誇る大手クオンツファンド、AQRキャピタル・マネジメントの共同設立者で最高投資責任者(CIO)です。

エヌビディアとアルファベットに注力、ウォール街アナリストも「強気買い」の評価

アスネス氏は現在、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)とアルファベット(NASDAQ:GOOGL)という2大AI株に注力しています。TipRanksのデータベースによると、ウォール街のアナリストもこれらの銘柄を「強気買い」で評価しています。詳しく見てみましょう。

エヌビディア

イベントでCEOがロックスターのように迎えられると、その企業がある種のユニークなステータスに達していることがわかります。エヌビディアの共同創業者兼CEOであるジェンセン・フアン氏が、先日のGTCカンファレンスでの基調講演で、そのような歓迎を受けました。

この1年のエヌビディアの大成功を考えれば、フアン氏がスティーブ・ジョブズ氏のような扱いを受けているのは驚くことではないのかもしれません。この1年で、エヌビディアは時価総額2兆2,600億ドルという世界で3番目に価値のある企業になりました。

しかし、235%もの大きなリターンは、単なる誇大広告ではなく、実際の成功に基づいています。エヌビディアはテックイノベーションの最前線に位置し、AIチップのトップ企業です。つまり、同社はAIを支えるデータセンターで使われる最高の半導体を製造しており、誰もがそれを欲しがっています。

当初ウォール街に驚きをもたらした決算発表は、今や当たり前のものに

エヌビディアの株価上昇は、一連の決算発表に支えられてきました。当初、アナリスト予想を大きく上回り、ウォール街を驚かせたこれらの決算発表は、今では当たり前のものになりつつあります。

直近の2024年第4四半期(2023年12月-2024年1月期)では、売上高は前年同期比265.3%増の221億ドルとなり、予想を15億5,000万ドル上回りました。特に、主力のデータセンター向けGPU(画像処理半導体)部門の売上高は409%増の184億ドルとなり、過去最高を記録しました。

売上高の驚異的な伸びは利益にも及び、調整後EPS(1株当たり利益)は5.16ドルと、コンセンサス予想を0.52ドルあっさり上回りました。エヌビディアは見通しについても期待を裏切らず、2025年第1四半期(2024年2-4月期)の売上高を、コンセンサス予想の220.3億ドルに対し、中間値で240.0億ドルと予想しています。

このような業績であれば、アスネス氏がこの会社に大きな出資をしていても不思議ではありません。同氏は167万1,007株を所有し、現在の評価額は15億ドル以上です。

エヌビディアは「真のAI企業」の評価

また、エヌビディアは、米金融会社Truistの五つ星アナリスト、ウィリアム・スタイン氏にも高く評価されています。ウォール街の数千人の株式プロフェッショナルの中で13位にランクされている同氏は、エヌビディアを「真のAI企業」と評しています。

スタイン氏は次のように述べています。「私たちが注目するエヌビディアのリーダーシップは、半導体そのものの性能よりも、そのイノベーション文化、業界内のエコシステム、ソフトウェア、AIモデル、サービスへの大規模な投資によって支えられています」。そして同氏は、エヌビディアのさらなるファンダメンタルズの成長と株価上昇を予想しています。

スタイン氏はエヌビディアに「買い」レーティングを付け、目標株価の1,177ドルは、今後12カ月で30%の上値余地を示唆しています。

ウォール街の見方は?

このスタンスには、多くのアナリストも同意しています。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が39人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。

アルファベット

世界の時価総額ランキングで、エヌビディアに次ぐ位置につけているのが、グーグルの親会社であるアルファベットです。著名投資家のアスネス氏は、ここでも490万3,946株を保有しており、その時価総額は現在7億4,000万ドル以上に達しています。

YouTubeからナビゲーションアプリのWaze、自動運転ユニットのWaymo、AI企業のDeepMindまで、アルファベットはさまざまな事業に参入しています。しかし、同社の屋台骨を支えているのは、やはり主力の検索エンジンであり、インターネット探索の代名詞でもあるグーグルです。グーグルは毎日何十億もの検索クエリを処理し、世界中のユーザーのオンライン体験を形成しています。

検索事業は依然総売上高の半分以上を占める

もちろん、グーグルはクラウド・コンピューティング、ソフトウェア、ハードウェアなど、さまざまなサービスも提供していますが、アルファベットの直近の四半期決算を見れば、検索事業の大きさがわかります。検索事業の売上高は480億2,000万ドルに達し、前年同期比12.7%増となり、総売上高の半分以上を占めています。総売上高は前年同期比13.5%増の863億1,000万ドルで、予想を10億4,000万ドル上回りました。EPSは1.64ドルで、市場予想を0.04ドル上回りました。

しかし、巨大テック企業として検索分野のリーダーの地位を維持しているとはいえ、ChatGPTやその他の生成AIの台頭により、グーグルは追随を余儀なくされています。最近、グーグル独自のAIツール「Gemini」に関して、派手に報じられた失態もあり、懸念も出ています。

しかし、ウェドブッシュの五つ星アナリスト、スコット・デビット氏は、これを懸念材料とは捉えていません。実際、同氏はアルファベットの将来性の高さを理由に、最近アルファベットをウェドブッシュのベスト・アイデア・リストに加えました。

「グーグル検索に対する構造的リスクは誇張されており、生成AIの恩恵を受ける」

デビット氏は、「グーグル検索に対する構造的リスクは誇張されていると考えています。そして、アルファベットは生成AIの恩恵を受けると引き続き考えています」と述べています。「アルファベットの競争優位性は多面的であり、テキスト、画像、動画にまたがるAIモデルの開発・トレーニングのための比類なき膨大なデータ、グーグル検索、YouTube、Android、その他のグーグル・アプリケーションにまたがる膨大なユーザーベースがあります。(中略)私たちは、アルファベットがデジタル広告業界において、メディア支出全体における幅広い露出と持続的な市場シェアを持つ、継続的な勝者であると引き続き考えています」

デビット氏は、アルファベット株に「アウトパフォーム(=買い)」レーティングを付け、目標株価の175ドルは、今後12カ月で約16%の上値余地を示唆しています。

ウォール街の見方は?

アルファベット株に対する過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が29人、「中立」が8人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Nvidia and Alphabet: Billionaire Cliff Asness Bets Big on These 2 AI Stocks原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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