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3つの金ETFで最も優れているのは?

ストーリーハイライト

金ETF(上場投資信託)への投資は、金へのエクスポージャーを得る最良の方法の一つです。金はインフレに対する最良のヘッジであり、不確実な経済情勢における最良の投資対象の一つでもあります。この記事では3つの金ETFを比較し、どれが最良の選択かを判断します。

金価格(CM:XAUUSD)は、年初来で12.7%上昇しています。マクロ的な混乱が続いているため、投資の選択肢として人気を博しています。新型コロナウイルスの流行以来、金価格は過去5年間で73%以上急騰しています。

分散投資とインフレヘッジに有効な金へのエクスポージャー

分散投資とインフレヘッジのために、ポートフォリオに貴重な金のエクスポージャーを持つことは賢明です。とはいえ、金の現物を購入するには困難が伴います。投資家は、金ETFに投資することで、ポートフォリオに金を含めることができます。

TipRanksの金現物ETFのETF比較ツールを使って、SPDRゴールド・シェアETF (GLD)、iシェアーズ・ゴールド・トラスト (IAU)、SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト (GLDM)を比較し、最良の選択を決定しました。

金ETFはすべて同じ金現物価格に連動しているため、下のそれぞれグラフに見られるように、リターンは似ています。金ETFリターンの微細な違いは、管理費用の違いによるものです。金ETFへの投資には、流動性、取引のしやすさ、金価格の透明性、利便性と安全性など、いくつかの恩恵があります。さらに、金地金を購入/売却し保管するよりも、金ETFに投資する方が安価です。

SPDRゴールド・シェアETF (SPDR Gold Shares ETF, GLD)

SPDRゴールド・シェアETFは世界最大の金現物担保ETFで、運用資産残高は613.1億ドルです。運用資産残高が大きいということは、ETFの1単位あたり価格も高いということであり(現在214ドル前後)、GLDの購入は他のETFに比べ高価になります。同ETFは2004年11月、LBMA Gold Price PM Indexに連動する形で金価格に連動するよう設定されました。

6月18日現在、GLDは26,534,572.50オンスの金を信託しています。重要なのは、GLDの経費率が3つの中で最も高い0.40%であることです。高い経費率にもかかわらず、GLDは年初来(12.71%)と過去1年間(19.87%)の両方で最大の価格リターンを獲得しています。しかし、過去3カ月で5億1,300万ドルの資金流出がありました。

SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(SPDR Gold MiniShares Trust, GLDM)

SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラストは、金ETFとしては最低の経費率0.10%を誇ります。GLDMの運用資産残高は73.8億ドルで、GLD ETFより著しく低いです。運用資産残高の低さは純資産総額の低さにもつながり、投資家は比較的安い保有コストで金への長期エクスポージャーを持ちやすくなります。2018年6月にローンチされたGLDMは、LBMA Gold Price PM Indexを通じて金価格も追跡します。

6月18日現在、GLDMは3,172,941.60オンスの金を保有しています。3つのETFのうち、GLDMのパフォーマンスは2番目に高く、年初来リターンは12.39%、1年リターンは19.68%です。過去3カ月間で、GLDMには1億1,000万ドルの純流入がありました。

iシェアーズ・ゴールド・トラスト(iShares Gold Trust, IAU)

iシェアーズ・ゴールド・トラストは、LBMA Gold Price PM Indexに連動することで、金地金の価格を反映することを目的としています。2005年1月にローンチしたIAUの運用資産残高は284億ドル、経費率は0.25%です。

6月18日現在、IAUは12,188,952.03オンスの金現物を保有しています。IAU ETFの年初来リターンは12.35%、1年リターンは19.55%です。GLDと同様に、IAUは過去3カ月で6億1,700万ドルの純流出を記録しました。

結論

SPDRゴールド・シェアETFは、年初来および1年間の価格パフォーマンスがわずかに高く、最大の運用資産残高ベースであることから、3つの金ETFの中で最良の選択であると思われます。GLDは、金需要の高まりから恩恵を受けるのに適した位置にあると思われます。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、GLD, IAU, or GLDM: Which Spot Gold ETF is the Best Pick?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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