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トップアナリストが推すベストAI株2銘柄

ストーリーハイライト

わずか16カ月前にOpenAIが発表したChatGPTは、チャットボット(生成AIを活用した自動会話プログラム)が、真に人間の反応を模倣できることを示し、すべてを打ち破りました。AIは、検索エンジンから自動運転車まで、あらゆるものに利用されています。

そして、このような大きな変化は、投資家にチャンスをもたらします。私たちは主にAIの顧客やユーザーと接する側について考えていますが、投資機会は、それを可能にする処理チップやその他のハードウェアといったバックエンドからもたらされることが多いのです。

トップアナリスト、エヌビディアとスーパー・マイクロ・コンピューターにさらなる上値余地を見る

この真実は、ウォール街の株式プロフェッショナルの上位1%に格付けされる5つ星アナリスト、アーガス・リサーチのジム・ケレハー氏が最近選んだ2つのAI銘柄に反映されています。ケレハー氏はAIコンピューティングの世界を深く掘り下げ、買うべきベストのAI銘柄を特定しました。彼の結論としては、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)とスーパー・マイクロ・コンピューター(NASDAQ:SMCI)が、投資家のポートフォリオに必要なAI企業として際立っています。

両社はAIセクターの成功の波に乗り、ここ数カ月で大幅な株価上昇を遂げています。急速に進化するこの市場で、なぜこれらの企業が今後も長期的な繁栄を遂げる準備が整っていると見るのか、ケレハー氏の洞察を探ってみます。

エヌビディア

エヌビディアは、マグニフィセント・セブン(昨年の市場上昇の大半を牽引したメガキャップの巨大企業)の1つです。エヌビディアの時価総額は最近2兆ドルを突破し、アップル、マイクロソフトに続く3番目の上場企業となりました。エヌビディアはわずか2カ月余りで時価総額に1兆ドル弱を追加し、年初来の株価上昇率は77%という驚異的な伸びを記録しています。

エヌビディアの株価上昇の背景は、同社が大容量・高性能のGPU(画像処理半導体)チップ、つまり生成AIを可能にする複雑な演算処理を処理する演算能力を持つプロセッサの製造において市場をリードしているからです。同社は、データセンターセクター向けのこれらのチップの主要サプライヤーであり、この重要なコンピューティング分野の主要GPUで約95%の市場シェアを有しています。

データセンター売上、前年同期比で409%増

エヌビディアの2024年度第4四半期(2023年11月-2024年1月)決算発表によると、データセンター事業の売上高は184億ドルでした。これは前期比27%増、前年同期比ではなんと409%増でした。

この結果、総売上高は221億ドルで過去最高となり、前期比22%増、前年同期比265%増で、予想を15億5,000万ドル上回りました。非GAAP(米国会計基準)ベースのEPS(1株当たり利益)の 5.16ドルも同様に急成長を示し、前四半期比28%増、前年同期比486%増となり、予想を52セント上回りました。エヌビディアは、2024年度通期の売上高が609億ドルとなり、またしても過去最高を更新しました。

エヌビディアの四半期業績が予想を上回り、記録も更新したことを、アナリストのケレハー氏は評価しています。

「AI技術におけるエヌビディアの位置づけを考慮すると、まだまだ先があります」

ケレハー氏は次のように述べています。「エヌビディアの今四半期ガイダンスは、再び予想を大きく上回りました。現在、製造パートナーが需要に追いついていないという事実を考慮すると、エヌビディアの驚異的な成長は、実際には同社製品に対する需要を控えめにしています(中略)エヌビディアの株価はピークに近いですが、変革的なAI技術における同社の位置づけを考慮すると、私たちの見解では、まだまだ先があります。(中略)ディープラーニング、AI、GPUによるアプリケーション高速化の時代において、ほとんどのテクノロジー投資家はエヌビディアを保有すべきだと考えます」

ケレハー氏はエヌビディアに「買い」レーティングを付け、強気のスタンスを示しています。しかし、エヌビディア株は急騰しており、ケレハー氏の目標株価850ドルをすでに超えています。このトップアナリストが今後数カ月のうちに目標株価を上方修正するかどうかはまだ分かりません。

アナリストによる目標株価は?

TipRanksによれば、エヌビディアに対する過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が39人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の893.86ドルは、今後12カ月で2%の上値余地を示唆しています。

スーパー・マイクロ・コンピューター

ケレハー氏が次に選んだのは、シリコンバレーを拠点とするハイエンド・サーバースタック構築企業、スーパー・マイクロ・コンピューターです。エヌビディアがAIテクノロジーに必要な高速プロセッサを製造しているのに対し、スーパー・マイクロはそれらの半導体を結びつけるサーバースタック(AIテクノロジーを支えるインフラ、オペレーティングシステム、ミドルウェアの総称)とストレージ・システムを構築し、AI企業がその潜在能力を最大限に活用できるようにしています。

スーパー・マイクロ・コンピューターは、複雑なサーバースタックを自社で設計・構築することが可能であり、あらゆる顧客のコンピューティング・処理ニーズに対応するため、様々な規模のサーバースタックを設置することができます。

生成AIで必要なスピード、大容量コンピューティングをサポート

特に、生成AIテクノロジーに必要なスピードで大容量コンピューティングをサポートするスーパー・マイクロ・コンピューターの能力は、大いに活用されています。

直近の2024年度第2四半期(2023年10-12月)の売上高は36億6,000万ドルで、前四半期の21億2,000万ドルから大幅に増加し、アナリスト予想も4億ドル上回りました。非GAAP(米国会計基準)基準のEPS(1株当たり利益)は5.59ドルで、アナリスト予想を43セント上回りました。

旺盛な顧客需要と堅調な業績を背景に、スーパー・マイクロの株価が年初来で301%も上昇したことは、その有望な見通しを示すものです。

株価上昇に楽観的、上昇の終わりではない

ケレハー氏は、この株価上昇について楽観的であり、株価上昇の終わりを見たとは考えていないようです。同氏は次のように述べています。

「スーパー・マイクロ・コンピューターは、生成AI時代をリードするコンピューターとサーバーのプロバイダーであると当社は考えています。アップル、アマゾン、そして最近ではエヌビディアのパターンを繰り返しつつ、スーパー・マイクロの売上高はコストよりもはるかに急速に成長しており、大きな収益成長のための環境を作り出しています。(中略)スーパー・マイクロ株は決して割安ではありませんが、短期的および長期的な成長の見通しは、現在の株価水準での投資を正当化するものだと考えています」

今後の見通しとして、ケレハー氏は「買い」レーティングを付け、目標株価の1,350ドルは、今後12カ月で18%の上値余地を示唆しています。

アナリストによる目標株価は?

ケレハー氏は強気ですが、他のアナリストは慎重です。過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が6人、「中立」が3人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は876.70ドルで、現在の水準(1,140ドル前後)から23%の下値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Top Analyst Jim Kelleher Chooses the Best AI Stocks to Buy: Nvidia and Super Micro Computer Stand Out原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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