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アマゾン株:AI統合や広告増収で成長ストーリーは順調に推移へ

ストーリーハイライト

アマゾンは、オンライン書店から世界的なEコマースの巨人へと進化しました。人工知能(AI)ブームの今、その成長ストーリーはまだまだ続きます。

Eコマース大手のアマゾン・ドット・コム(NASDAQ:AMZN)は、多様な商品とサービスを提供するグローバルなオンラインマーケットプレイスです。オンライン販売のほか、クラウドコンピューティングやエンターテインメントにも進出しました。不透明なマクロ経済情勢にもかかわらず、同社の各分野における成長は、長期的には同社のビジネスを大きな高みへと押し上げる可能性を秘めています。

アマゾンの株価は年初来で、S&P500(SPX)の14%に対し、49.4%上昇しています。また、同社がAIを統合し、全てのセグメントでイノベーションを起こそうとしている中、ウォール街はアマゾン株に対して楽観的な見方をしています。

AWSセグメントが優位なポジションを維持する可能性

アマゾンはアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)でクラウドコンピューティング市場をリードしています。さらに、Statistaによると、AWSは世界のクラウドインフラ市場の32%を支配しています。一方、次のビッグプレーヤーはマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)のAzureとアルファベット(NASDAQ:GOOGL)のグーグルクラウドです。

2023年第2四半期のAWS部門の売上高は221億ドルで、前年同期の197億ドルから増加しました。同四半期の純売上高は1,344億ドルで、2022年第2四半期の1,212億ドルから増加しました。

アマゾンはまた、拡大し続ける生成AIのニッチ分野に対応するため、AIスタートアップのAnthropicに最大40億ドルを投資し、自社の製品やサービスにAIを統合する意向です。実際、第2四半期には、顧客の「生産性向上とセキュリティー態勢の強化」に役立つと考える生成AIを使用したさまざまなAWSテクノロジーを発表しています。

さらに、アマゾンは現在、音声アシスタント「アレクサ」を進化させており、来年初頭には生成AIを搭載する予定です。アップグレードされたアレクサは、「より直感的で、インテリジェントで、便利なものになる」と経営陣は主張しています。

アマゾン・プライムの恩恵は顧客のロイヤルティと経常売上に貢献

アマゾンの成功は、利便性、競争力のある価格設定、多様な商品を顧客に提供することに重点を置いていることにあります。定額制のストリーミングサービスでもあるアマゾン・プライムでは、さまざまなビデオコンテンツを提供しています。これにより、アマゾンは忠実な顧客から継続的な売上を生成できます。より多くのプライム会員を獲得するためのマーケティング戦略として、アマゾンは無料または早期の配送、アマゾン限定のお得な情報、その他の恩恵まで提供しています。

最近アマゾンは、プライム会員が「10月10日と11日のプライムビッグディールデーで、何百万ものお買い物で10億ドル以上の節約をしました」と発表しました。同社によると、このホリデー限定のショッピングイベントは昨年のイベントを上回り、米国の顧客は2,500万点以上の商品を購入したとのことです。

BofAは、アマゾンの第4四半期の好調なスタートを反映し、ビッグディールデーの売上はアマゾンの流通取引総額(GMV)を91億ドルに導く可能性があると予測しています。現在、BofAはアマゾン株のレーティングを「買い」として、目標株価を174ドルとしています。

プライム・ビデオ広告が成長ドライバーになる可能性

アマゾンは来年、プライム・コンテンツに若干の広告を入れる意向で、これが売上拡大の原動力になる可能性があります。広告市場の回復に伴い、広告売上は今後数年で急増する可能性があります。アマゾンの広告売上は2022年に380億ドル近くに達し、この数字は2027年までに710億ドルにまで上昇する見込みです。

UBSのアナリスト、Lloyd Walmsley氏は、動画広告が「高い利益率を伴ってかなりの売上をあげるとみられ、利益率の強気ケースを強化するでしょう」と述べています。同アナリストはアマゾンの目標株価を175ドルから180ドルに引き上げ、「買い」レーティングを維持しています。

全体的として、アナリストは第3四半期の売上高は約1,415億ドル、1株当たり利益(EPS)は0.58ドルになると予想しています。同社は過去2四半期連続で業績予想を上回っており、次回の決算発表は10月26日に予定されています。

アナリストによると、アマゾン株は買いか?

ウォール街に目を向けると、過去3カ月間のアナリストレーティングは、41名のうち、40名が「買い」、1名が「中立」を付けています。平均目標株価は176ドルで、今後12カ月間で37.3%の上値余地を示唆しています。アマゾン株の最高目標株価は230ドル、最低目標株価は140ドルです。

さらにアナリストは、アマゾンの売上高は2024年に前年比11.6%増の6,363億ドルになり、EPSは2023年の推定2.15ドルから2024年には3.09ドルに跳ね上がると予測しています。

アマゾンの予想PERは61倍であり、かなり割高に見えます。しかし、アナリストがアマゾンの成長可能性を非常に楽観視していることを反映しています。

結論

今後数年間、AIを取り入れることで、アマゾンはeコマース、クラウドコンピューティング、デジタル広告の分野で目覚ましい成長が見込まれます。ウォール街がこの成長株を好むのも当然で、来年にかけての株価上昇率予想が37%以上になるのも不思議ではありません。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Amazon Stock (NASDAQ:AMZN): The Growth Story is Shaping Up Well原文の翻訳を中心にまとめています。

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