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アルファベット株:AIイノベーションでより高いバリュエーションを実現へ

ストーリーハイライト

アルファベット株はこのところ連勝を続けていますが、「マグニフィセント・セブン」のライバルに比べればまだ不十分な状況です。2024年には、相対的に割安なアルファベットにとって、AI(人工知能)が引き続き主役となる可能性があります。

アルファベット(NASDAQ:GOOGL)(NASDAQ:GOOG)の株価は好調に推移していますが、過去1年間、いわゆるマグニフィセント・セブンの中で最も華麗なものではありませんでした。AIラリーは2024年も続いており、アルファベットには大きなAIイノベーション・プロジェクトがありますが(おそらくいくつかのライバルよりも優れています)、株価はここ数年、大きなマルチプル拡大を牽引できていません。

マグニフィセント・セブンおよび他の主要株式と比較しても割安

本稿執筆時点では、グーグルの株価は予想PER(株価収益率)22.2倍と非常にリーズナブルで、マグニフィセント・セブン銘柄の中で「最も低い」だけでなく、他の主要株式と比較してもそれほど割高ではない状況です。

グーグルは最近、生成AIであるGemini Ultraを有料化し、ChatGPTのOpenAIの後を追っています。確かに、Gemini UltraはChatGPT-4よりも優れている可能性もあります。しかし、すべての用途においてどちらが「優れている」と断定することはできません。

グーグルには課題があります。それは、AIが「インターネットの第一人者」の座に就く可能性がある場合、グーグル検索がどのような運命をたどるのかということです。今のところ、OpenAIなどの新しいチャットボット(AIを活用した自動会話プログラム)が検索市場からシェアを奪おうとする中、どれだけの人々がグーグルを離れ、より広いフィールドに向かうかはまだ分かっていません。

AIはグーグルにとって潜在的な破壊者であり、成長のレバレッジでもある

今のところ、グーグルは、売上と利益に関して検索エンジンに大きく依存しています。これを考えると、様々な消費者向けAIが日々進化する中、弱気ケースのシナリオが存在すると言えるでしょう。

しかし、グーグルにおける生成AIは、「ググる」という体験全体をより良いものにする可能性があります。グーグル検索を破壊できる企業があるとすれば、それはグーグル自身が構築したAIチャットボットでしょう。

さらに、グーグルのチャットボットは、地球上で最も利用されている検索エンジン(およびデータセット)の一つに支えられています。AIチャットボットの幻覚(AIが物事をでっち上げる)はAIに関する最大の問題の1つですが、AIモデル、特にグーグルによって作成されたモデルは、情報源の引用(およびその情報源の信頼性)を重視しています。

誰と何を信頼すべきかを知ることは、特にAIの時代には不可欠です。

試されるアルファベットの進化能力

たとえグーグル検索が今後数年間は打撃を受けるとしても、アルファベットは、強力なAI関連製品で収益源の分散化を図るとみられます。アップル(NASDAQ:AAPL)がiPod(前世代のトップセラー)からiPhoneにシフトすることで自社を改革したように、アルファベットも、グーグル検索頼みから次の態勢へと移行しようとしています。

自動運転車サービス(Waymoを想定)、AIによる創薬支援、医師向けにカスタマイズされた生成AI検索、AIを搭載したグーグル・クラウド、Gemini、その他の魅力的なテクノロジーは、長期的に収益構成に貢献できるオプションです。実際、これらはアルファベットを検索企業ではなく、より破壊的なAI企業に変える可能性があります。

アナリストによると、グーグル株は「買い」か?

TipRanksによれば、グーグル株のコンセンサス評価は「強気買い」です。過去3カ月間では、37人のアナリストのうち、29人が「買い」、8人が「中立」レーティングを付けています。アナリストの平均目標株価は164.56ドルで、今後12カ月で11.5%の上値余地を示唆しています。目標株価は、安値141.00ドルから高値180.00ドルまでとなっています。

結論

グーグル株は、過去1年だけで60%近く急騰していますが、マグニフィセント・セブンのライバルのいくつかと比較すると、まだ不十分なようです。AIを背景にアルファベット株がライバル並みに上昇するかどうかはまだわかりませんが、アナリストは依然として強気を維持しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Alphabet Stock (NASDAQ:GOOGL): AI Innovation Warrants a Higher Multiple原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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