アナリストによる、今買うべきヘルスケア株ベスト5（2024年3月）

1 ストーリーハイライト
2 1位イグザクト・サイエンシズ (Exact Sciences Corp., NASDAQ:EXAS)
3 イグザクト・サイエンシズ株は「買い」か？
4 2位ゾエティス (Zoetis , NYSE:ZTS)
5 ゾエティス株は「買い」か？
6 3位バイオ・ラッド・ラボラトリーズ (Bio-Rad Laboratories, Inc., NYSE:BIO)
7 バイオ・ラッド・ラボラトリーズ株は「買い」か？
8 4位ユナイテッドヘルス・グループ (UnitedHealth Group, Inc., NYSE:UNH)
9 ユナイテッドヘルス・グループ株の目標株価は？
10 5位ベクトン・ディッキンソン (Becton, Dickinson & Co., NYSE:BDX)
11 ベクトン・ディッキンソン株の見通しは？
12 結論

ストーリーハイライト

収益性の高いヘルスケアセクターへの投資をお考えの投資家の皆様は、同セクターで確固たる存在感を示し、株価上昇の可能性でアナリストの支持を集めている以下の5銘柄をご検討ください。これらの銘柄は、ウォール街アナリストから「強気買い」のコンセンサス評価を得ています。

米国のヘルスケアセクターは同国最大の雇用者の1つであり、今後数年の成長が見込まれています。ヘルスケア・サービスへの絶え間ない需要により、技術革新、医薬品、テクノロジーが市場にあふれています。アナリストが、有望な可能性を秘めた製品を提供する一部のプレーヤーに対して、非常に強気な見方をしているのも不思議ではありません。

ヘルスケアセクター、経済が不安定な時期には市場全体をアウトパフォームする傾向

ヘルスケアセクターは、病院や医療施設を運営する企業、バイオテクノロジー企業、製薬企業、医療機器企業、医療保険企業など、細かく分類できます。しばしばディフェンシブ銘柄とみなされるヘルスケア企業は、経済が不安定な時期には市場全体をアウトパフォームする傾向があります。このような背景を念頭に置き、アナリストによる3月に買うべきヘルスケア企業ベスト5を、今後1年間の株価上昇が期待できる企業として見てみましょう。

1位イグザクト・サイエンシズ (Exact Sciences Corp., NASDAQ:EXAS)

イグザクト・サイエンシズは、がんの早期発見と予防に特化した分子診断会社です。同社はまず、平均的ながんリスクを持つ患者を対象としたCologuard便検査製品を通じて、大腸がんの検出・予防をミッションとしてスタートしました。同社は現在、BLUE-C試験で有望な結果を示したCologuard Plusの発売準備を進めています。

2023年の通期売上高は前年比20%増の約25億ドルで、内訳はスクリーニング検査事業が18億6,500万ドル、精密腫瘍学事業が6億2,900万ドルでした。第4四半期の売上高は、スクリーニング検査事業が前年同期比21%増、精密腫瘍学事業が同12%増となりました。一方、同四半期の純損失は前年同期の1株当たり0.72ドルから0.27ドルに縮小しています。

2024年のガイダンスについては、売上高は28億1,000万～28億5,000万ドル、スクリーニング検査売上高は21億5,500万～21億7,500万ドル、精密腫瘍学売上高は6億5,500万～6億7,500万ドルと予想しています。

イグザクト・サイエンシズ株は「買い」か？

3月19日、エバコアISIのアナリスト、Vijay Kumar氏は、株価が割安であることを理由に、イグザクトを「戦術的アウトパフォーム」リストに加えました。興味深いことに、TipRanksによれば、過去３カ月間のアナリストレーティングでは、他の12名のアナリストも全員「買い」を付けて、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の89.10ドルは、今後12カ月で36.6%の上値余地を示唆しています。

2位ゾエティス (Zoetis , NYSE:ZTS)

ゾエティスは、ペットと家畜のための医薬品、予防接種、診断、技術に関する世界最大の企業です。同社の売上高は、米国市場と国際市場でほぼ均等です。2013年に世界的な製薬会社ファイザーから分離独立したゾエティスは、動物用医薬品分野で実績を上げています。

2023年の通期売上高は前年比6%増の85億ドル、EPS（1株当たり利益）は前年比9%増の5.32ドルでした。2024年のガイダンスによれば、売上高は90億7,500万～92億2,500万ドル、調整後EPSは5.74～5.84ドルを予想しています。

ゾエティス株は「買い」か？

3月21日、アーガス・リサーチのアナリスト、Jasper Hellweg氏は、ゾエティスの目標株価を200ドル（20.7%の上値余地）とし、「買い」レーティングを再表明しました。同氏は、売上高ベースで動物用医薬品市場の業界リーダーであるゾエティスの株価下落は、買いの好機と考えています。

過去３カ月間のアナリストレーティングは、他の6人のアナリストも同じ「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の226.14ドルは、今後12カ月で36.5%の上値余地を示唆しています。

3位バイオ・ラッド・ラボラトリーズ (Bio-Rad Laboratories, Inc., NYSE:BIO)

バイオ・ラッド・ラボラトリーズは、ライフサイエンス研究および臨床診断市場向けの革新的な製品およびソリューションを幅広く開発、製造、販売しています。主な顧客は大学・研究機関、ホスピタリティ、民間研究所、バイオテクノロジー、製薬、食品安全・環境品質研究所などです。

2023年の通期売上高は前年比4.7％減少しましたが、これは主に新型コロナ感染関連の売上高の増加がなかったためで、これを除くと売上高は横ばいでした。調整後EPSは、公正価値投資報告により11.78ドルとなり、2022年の14.42ドルを下回りました。バイオ・ラッドは、2024年の売上高成長率を1.0%～2.5%と予想しています。

バイオ・ラッド・ラボラトリーズ株は「買い」か？

TipRanksによれば、バイオ・ラッドの過去３カ月間のアナリストレーティングは、４人のアナリスト全員が「買い」を付けており、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の435ドルは、今後12カ月で27.8%の上値余地を示唆しています。

4位ユナイテッドヘルス・グループ (UnitedHealth Group, Inc., NYSE:UNH)

ユナイテッドヘルス・グループは、定評あるグローバルヘルスケア・医療保険企業です。ユナイテッドヘルスケア部門を通じて多様なヘルスケア関連商品と給付を提供し、オプタム部門を通じてテクノロジーを活用した医療サービスを提供しています。

残念ながら、同社のチェンジ・ヘルスケア・システムは2月中旬にサイバー攻撃を受け、一時的に業務を停止せざるを得なくなりました。このため、プロバイダーの請求プロセスや医療処方に多大な影響を及ぼしました。同社は、一時的な資金援助プログラムを通じて、影響を受けた医療提供者に33億ドル以上を無償で提供しました。

2023年の通期売上高は前年比14.6%増の3,716億2,000万ドル、調整後EPSは13.2%増の25.12ドルでした。