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アナリストによる仮想通貨関連ETFベスト5(2024年3月)

ストーリーハイライト

ダイナミックな仮想通貨(暗号資産)セクターへの投資でポートフォリオを強化したいと考えている投資家は、アナリストの支持を集める5つのETFを検討できます。

仮想通貨価格が大きく上昇する中、アナリストが選好する2024年3月に買うべき仮想通貨関連ETFベスト5をご紹介します。最も広く取引されている仮想通貨であるビットコイン(BTC-USD)の価格は、2024年4月中旬に予想されるビットコイン半減イベントを主な要因として、3月9日に52週間ぶりの高値を付けました。専門家は、仮想通貨産業が2024年に記録的な高値に達すると予測しています。

仮想通貨への直接投資ではなく、ETFを通じた投資を検討

理解不足のために仮想通貨関連株や仮想通貨への直接投資をためらっている投資家は、仮想通貨関連ETFへの投資を検討することができます。上場投資信託(ETF)は、特定のセクター、アセットクラス、コモディティ、通貨、または投資戦略の企業ポートフォリオを形成する投資手段です。

ETFは取引所で株式と同じように簡単に取引でき、投資家に魅力的な分散投資の選択肢を提供します。今回のベスト5仮想通貨関連ETFは、ブロックチェーン技術に関連する企業、またはバランスシート上に多くの仮想通貨を直接保有する企業に投資します。

1位 ヴァンエック・デジタル・トランスフォーメーションETF (NASDAQ:DAPP)

ヴァンエック・デジタル・トランスフォーメーションETFは、デジタル資産経済に関わるグローバル企業のパフォーマンスを追跡するMVIS Global Digital Assets Equity Indexの時価総額加重インデックスに連動する投資成果を目指します。DAPPの投資戦略は、これらの企業が暗号世界の先駆者であり、デジタル資産から収入の少なくとも50%を創出している可能性があるという事実に基づきます。DAPPには、仮想通貨取引所、マイナー(採掘企業)、ブロックチェーンインフラ企業が含まれます。

DAPPの経費率は0.51%です。

2021年3月にスタートしたDAPPは、設定来では33%の損失を出しています。しかし、過去1年間では134%上昇しています。株式にフォーカスしているこのETFは、現在21銘柄を保有しており、その総額は1億218万ドルです。上位5銘柄は、マイクロストラテジー (MSTR)、コインベース・グローバル (COIN)、クリーンスパーク (CLSK)、ブロック (SQ)、マラソン・デジタル・ホールディングス (MARA)で、ポートフォリオ全体の約49.31%を占めています。

DAPPは「買い」か?

TipRanksによれば、DAPPは「中程度の買い」のコンセンサス評価を得ています。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価である、「買い」15件、「中立」6件に基づいています。DAPPの平均目標価格の14.33ドルは、今後12カ月で43.8%の上値余地を示唆しています。

2位 ビットワイズ・クリプト・インダストリー・イノベーターETF (NYSEARCA:BITQ)

BITQは、仮想通貨事業活動から最大限の売上高を創出する純粋な仮想通貨プレーヤーに投資します。このETFはBitwise Crypto Innovators 30 Indexに連動する投資成果を目指しており、ビットコインおよび仮想通貨取引施設、仮想通貨マイニングおよびマイニング機器企業、サービスプロバイダーの企業を含みます。

BITQの経費率は0.85%です。

2021年5月に運用を開始したBITQは、設定来では44%の損失を出していますが、過去1年間で114.5%の上昇を記録しています。現在、BITQは1億3,330万ドル相当の30銘柄を保有しています。保有銘柄の上位5つは、マイクロストラテジー、コインベース・グローバル、マラソン・デジタル・ホールディングス、ギャラクシー・デジタル・ホールディングス (TSE:GLXY)、ビットファームズ (TSE:BITF)で、ポートフォリオ全体の56.78%を占めています。

BITQは良い投資先か?

TipRanksによれば、BITQの保有銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価は、「買い」が23件、「中立」が7件で、BITQのコンセンサス評価は「中程度の買い」です。BITQの平均目標価格の15.79ドルは、今後12カ月で37.3%の上値余地を示唆しています。

3位 グローバルXブロックチェーンETF (NASDAQ:BKCH)

その名が示すように、グローバルXブロックチェーンETFは、ブロックチェーン技術の採用拡大から恩恵を受ける企業への投資を目指しており、デジタル資産マイニング、デジタル資産取引、ブロックチェーンアプリケーション、ブロックチェーンおよびデジタル資産関連ハードウェア、ブロックチェーンとデジタル資産の統合などを含みます。BKCHはSolactive Blockchain Indexに連動する投資成果を目指します。

BKCHは、世界のブロックチェーン市場の投資家に高い成長性を提供することを目的として、2021年12月に設定されました。BKCHは1億4,451万ドル相当の26銘柄を保有しています。

BKCHの経費率は0.50%です。

BKCHは、設定来では49.1%の損失となっています。しかし、過去1年間で113.7%上昇しています。保有上位5銘柄は、コインベース・グローバル、クリーンスパーク、マラソン・デジタル・ホールディングス、ライオット・プラットフォームズ (RIOT)、ビットファームズです。これらの5銘柄は、ポートフォリオ全体の66.8%を占めています。

BKCH の見通しは?

TipRanksによれば、BKCHの保有銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価は、「買い」が15件、「中立」が11件で、BKCHのコンセンサス評価は「中程度の買い」です。BKCHの平均目標価格の59.27ドルは、今後12カ月で36.7%の上値余地を示唆しています。

4位 アンプリファイ・トランスフォーメーショナル・データ・シェアリングETF (NYSEARCA:BLOK)

BLOKは、「ブロックチェーン技術の開発と活用に積極的に取り組んでいる」企業の株式に純資産の80%以上を投資するアクティブ運用のETFです。

仮想通貨関連では最も古いETFの1つであるBLOKは、2018年1月の設定来で104%のリターンを上げており、過去1年間で82%の上昇となっています。BLOKは分散が効いているETFと考えられ、7億1,194万ドル相当の54銘柄を保有しています。

BLOKの上位5つの保有銘柄は、ギャラクシー・デジタル・ホールディングス、コインベース・グローバル、マイクロストラテジー、ビヨンド(BYON)、クリーンスパークです。これら5つの保有銘柄は、ポートフォリオ全体の24.81%を占めています。

BLOKの経費率は0.76%です。

BLOKは「買い」か?

TipRanksによれば、BLOKの保有銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価は、「買い」が35件、「中立」が18件で、BLOKのコンセンサス評価は「中程度の買い」です。BLOKの平均目標価格の40.73ドルは、今後12カ月で21%の上値余地を示唆しています。

5位 サイレン・ナスダック・ネクスジェン・エコノミーETF (BLCN)

BLCNは、NASDAQ Blockchain Economy Indexに連動する投資成果を目指します。ブロックチェーン技術の開発、研究、活用に注力する企業に投資することで、長期的な成長を目指しています。

BLOKと同様に、BLCNも2018年1月に運用を開始し、設定来では13.3%上昇しています。過去1年間では34.6%上昇しています。このETFは現在57銘柄を保有しており、評価額は8,124万ドルです。上位5つの保有銘柄は、マイクロストラテジー、コインベース・グローバル、ブロック、マスターカード(MA)、マイクロソフト(MSFT)です。これらはポートフォリオ全体の19.53%を占めるのみです。

BLCNの経費率は0.68%です。

BLCN は「買い」か?

TipRanksによれば、BLCNの保有銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価は、「買い」が37件、「中立」が20件で、BLCNのコンセンサス評価は「中程度の買い」です。BLCNの平均目標価格の29.42ドルは、今後12カ月で7.9%の上値余地を示唆しています。

結論

上記の5つの仮想通貨関連ETFは、暗号セクターが勢いを取り戻すとアウトパフォームする確かな可能性を秘めています。仮想通貨世界へのエクスポージャーを得ようとする投資家は、分散を得る安全で安価な方法として、これらのETFを検討することができます。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、5 Best Crypto ETFs to Buy in March 2024, According to Analysts原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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