米国株

億万長者の著名投資家が第1四半期に買った3主要銘柄とは

ストーリーハイライト

大手ヘッジファンド・マネジャー、ケン・グリフィン氏の投資スタイルにならって、ポートフォリオを強化することができます。同氏が2024年3月31日までの3カ月間にポートフォリオに加えた3銘柄を見てみましょう。

ヘス、アマゾン・ドット・コム、バンク・オブ・アメリカは、億万長者で著名投資家でもあるグリフィン氏が2024年第1四半期に購入した銘柄の中で(ポートフォリオ全体に占める割合で)最も大きな3銘柄です。これら以外では、グリフィン氏の最大の購入銘柄の1つは、5月3日付でエクソンモービル(NYSE:XOM)と合併したパイオニア・ナチュラル・リソーシズの4,359,253株でした。

グリフィン氏のシタデル、2023年のトータルリターンで資産運用業界の首位に

グリフィン氏は、1990年以来、最も有名で収益性の高いヘッジファンドの一つであるシタデルLLCを運営するエース・ヘッジファンド・マネージャーです。

シタデルは、2023年のトータルリターンで資産運用業界のナンバーワンの座を獲得しました。現在、シタデルの運用資産は約600億ドルです。

1位 ヘス (Hess Corp., NYSE:HES)

ヘスは、原油と天然ガスの探査、開発、生産に携わる米国の独立系エネルギー企業です。第1四半期中、シタデルはヘスを8,815,580株購入し、前四半期の保有株数から1,686%増と大幅に増やしました。今回の購入により、シタデルは現在ヘス株を9,338,363株(持分比率3.02%)保有しており、これはシタデルのポートフォリオ全体の0.27%に相当します。

専門家によると、グリフィン氏は、石油大手シェブロン(NYSE:CVX)による530億ドルのヘス買収が長らく懸案となっていることを見越して、ヘス株を積み増しているとのことです。買収が実現すれば、シタデルはシェブロン株と引き換えに、ヘス株から多額のプレミアムを得ることになります。

ヘスは1株当たり0.44ドルの通常四半期配当を支払っており、現在の配当利回りは1.16%です。しかし、それは業界平均の3.75%ほど高くはありません。重要なことは、ヘスは過去8四半期連続でアナリストの業績予想を上回っており、堅実な財務を示唆していることです。

ウォール街の見方は?

ヘス株に対するグリフィン氏の強気スタンスとは対照的に、ウォール街アナリストの多くは様子見姿勢を取っています。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が2人、「中立」が6人で、コンセンサス評価は「中立」です。平均目標株価の178ドルは、今後12カ月で17.6%の上値余地を示唆しています。過去1年間で、ヘス株は18.4%上昇しています。

2位 アマゾン・ドット・コム (Amazon.com, NASDAQ:AMZN)

シタデルのポートフォリオは、テクノロジーセクター、特にMATANA銘柄(マイクロソフト、アマゾン、テスラ、アルファベット、エヌビディア、アップル)への投資を常としています。第1四半期には、グリフィンは成長し続けるeコマースの巨人、アマゾンの株をポートフォリオに追加しました。

第1四半期に、シタデルはアマゾンを352,453株購入しました。今回の購入により、シタデルは現在11億9,000万ドル相当のアマゾン株を保有しています(ポートフォリオ全体の0.23%)。

アマゾンは、その堅調なeコマース事業、急拡大するアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)部門、急成長しているデジタル広告事業に基づいて、今後も優れた成長を遂げる態勢を整えているとみられます。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、アマゾン株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、42人全員が「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の220.60ドルは、今後12カ月で22.1%の上値余地を示唆しています。アマゾン株は過去1年間で48.6%上昇しています。

3位 バンク・オブ・アメリカ (Bank of America, NYSE:BAC)

バンク・オブ・アメリカも、グリフィン氏が第1四半期に株式を追加購入した企業の1つです。バンカメは全世界に事業を展開する巨大銀行で、顧客に様々な金融サービスを提供しています。

第1四半期にグリフィン氏はバンカメ株を22,434,948株購入し、保有株数は前期比389.4%増となりました。シタデルは現在バンカメを0.35%保有しており、保有株式総数は28,195,796株です。

バンカメは1株当たり0.24ドルの業界平均を上回る配当を出しており、配当利回りは2.37%です。バンカメの株価は、2024年第1四半期決算で純利息収入の減少、貸倒引当金繰入額の増加、純利益の減少を報告したことで下落しました。それでも株価は過去1年間では40.5%上昇しています。

ウォール街の見方は?

ウォール街では、バンカメの株価動向について意見が分かれています。TipRanksによれば、バンカメ株のコンセンサス評価は「中程度の買い」で、12人の「買い」、11人の「中立」、1人の「売り」に基づきます。平均目標株価の39.71ドルは、現在の水準とほぼ同じです。

結論

ケン・グリフィン氏は、その優れた銘柄選定により顧客に素晴らしいリターンをもたらしてきた実績があります。投資家は、徹底的な調査の後、自身のポートフォリオのためにグリフィン氏のストックピックを参考にできるでしょう。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Stocks Billionaire Investor Ken Griffin Bought in Q1 2024原文の翻訳を中心にまとめています。

米国株
この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
最新記事