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上値余地が大きい「強気買い」低ベータ株3選

ストーリーハイライト

ベータ値とは、株式市場全体に対する個別銘柄のボラティリティ(価格変動性)を示す指標です。ベータ値が1未満であれば、ボラティリティが低いことを意味し、リスクが比較的低く、安定したリターンが見込めるため、投資家にとって魅力的な銘柄となります。

TipRanksの株式スクリーナーツールを使い、メルク、アッヴィ、リ・オートの3銘柄を選定しました。これらの銘柄は、いずれもベータ値が0.5未満です。また、これらの銘柄はアナリストのコンセンサス評価は「強気買い」で、10%以上の上値余地を有しています。

3銘柄を詳しく見ていきましょう。

メルク (Merck & Company, Inc., NYSE:MRK)

メルクは、医薬品、ワクチン、動物用医薬品を開発する米国の世界的ヘルスケア企業です。現在、メルクのベータ値は0.28です。

同社は、主力のがん治療薬であるKeytruda以外にも収益源を多様化しようとしており、その取り組みは心強いものです。また、最近発表された眼科バイオテクノロジー企業Eyebiotechの買収など、買収を通じて成長を目指す戦略的取り組みも、長期的な成長にとって良い兆候です。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、メルク株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が16人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は145.08ドルで、今後12カ月で12.1%の上値余地を示唆しています。過去6カ月間で株価は23%上昇しています。

アッヴィ (AbbVie, Inc., NYSE:ABBV)

アッヴィは、複雑な疾患に対する治療薬の開発に注力するバイオ医薬品企業です。現在、同社のベータ値は0.39です。

アッヴィが開発した抗がん剤Elahereは、対象市場が2倍以上に拡大する可能性があり、短期的な売上高成長にとって良い兆候です。興味深いことに、この薬はプラチナ感受性卵巣がん(PSOC)患者を対象とした第2相臨床試験において、主要評価項目を達成しました。

ウォール街の見方は?

全体として、ウォール街はこの株に対して楽観的です。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が13人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は185.43ドルで、今後12カ月で11.33%の上値余地を示唆しています。過去6カ月間で株価は9.6%上昇しています。

リ・オート (Li Auto, NASDAQ:LI)

リ・オートは中国の新興電気自動車(EV)メーカーで、高度な運転支援システムが搭載された高級EVなどを展開しています。同社のベータ値は0.48です。

重要なのは、リ・オートは車両販売台数の増加、利益率の拡大、そして初の純電動ミニバンであるLi Megaを含む新モデルの投入によって、成長の可能性を示していることです。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が11人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は35.96ドルで、今後12カ月で85%の上値余地を示唆しています。過去3カ月間で株価は45.2%下落しています。

結論

投資家は、メルク、アッヴィ、リ・オートの3銘柄に注目して良いでしょう。これらの銘柄はすべて低いベータ値を誇っており、株価の変動は市場全体よりも小さい傾向にあります。このため、市場が低迷している時期には、魅力的な保有銘柄となる可能性があります。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、MRK, ABBV, LI: 3 Low-Beta Stocks with Upside Potential原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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