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アナリストが注目している仮想通貨関連株3選

ストーリーハイライト

ダイナミックな仮想通貨(暗号資産)業界へのエクスポージャーを求める投資家は、「強気買い」のコンセンサス評価を得ている3つの仮想通貨マイナー(採掘企業)への投資を検討できるでしょう。

ウォール街のアナリストによると、7月に買うべき仮想通貨銘柄ベスト3は以下の通りです。ビットコイン(BTC-USD)価格は今年絶好調で、年初来で48.7%以上上昇しました。なお、4月中旬のビットコイン半減期イベントでは、ビットコインを採掘するためのブロック報酬が半減しました。

トランプ前大統領銃撃の報を受け、ビットコイン価格急騰

仮想通貨導入に積極的なトランプ前大統領銃撃のニュースを受け、7月15日にビットコイン価格が64,000ドルを超えて上昇したことは重要です。これはまた、多くのビットコインマイナーの株価急騰を伴いました。

ダイナミックな仮想通貨マイニング業界へのエクスポージャーを求める投資家は、しばしば銘柄の選別が難しいことに気づきます。このため、TipRanksの仮想通貨銘柄比較ツールを活用し、アナリストのコンセンサス評価が「強気買い」で、今後1年間に30%以上の株価上昇が期待できるマイナー3銘柄を特定しました。それでは、3つのマイナー企業がアナリストの強気な見方を獲得した理由について詳しく見ていきます。

1位 ライオット・プラットフォームズ (Riot Platforms, RIOT)

ライオット・プラットフォームズは世界最大級のビットコインマイナーです。また、マイナーのデータセンターをサポートし、ビットコインマイニング用の電気部品や液浸冷却技術を製造しています。

ライオットは最近、カナダのマイナーであるビットファームの敵対的買収を計画していることで話題になっています。現在、ライオットはビットファームの普通株14.9%を保有し、ビットファームの取締役会に3人の新メンバーを指名しています。一方、ビットファームは買収を回避するためにポイズンピル戦略を採用しようとしています。

新たなマイニング施設稼働でハッシュレート能力目標を超える

ライオットは6月の取引報告で、第2四半期に目標としたハッシュレート能力を超え、22EH/s(エクサハッシュ・パー・セカンド)を達成しました。これは、ライオットのコルシカナマイニング施設が6月に稼働を開始したためです。

さらに、ライオットは6月に255ビットコインを生産し、前四半期比では19%増加しましたが、前年同月比では45%減少しました。6月30日現在、同社は9,334ビットコインを保有しています。

ライオットは、ロックデール施設にさらに多くのマイナーを設置し、コルシカナ施設をフル稼働させることにより、2024年末までに31 EH/s、2025年末までに41 EH/sのセルフマイニングハッシュレート能力を達成する予定です。

ライオット株はまだ「買い」か?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、8人全員が「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。ウォール街は、ライオットのハッシュレート容量の増加、低コストのマイニング事業、堅実なバランスシートについて楽観的です。平均目標株価の17.50ドルは、今後12カ月で52.4%の上値余地を示唆しています。一方、株価は年初来で25.8%下落しています。

2位 ビット・デジタル(Bit Digital, BTBT)

ビット・デジタルは、米国、カナダ、アイスランドでマイニング事業を展開するデジタル資産マイナーです。同社はデジタル資産の採掘にカーボンフリーのエネルギーソリューションを使用しています。また、AI(人工知能)アプリケーションに特化したクラウド・インフラ・ソリューションを提供するBit Digital AIを運営しています。

6月のビット・デジタルの生産量は61.7ビットコインで、5月から2.5%減少しました。月末時点のアクティブハッシュレートは2.57EH/sです。ビット・デジタルは6月30日時点で585.9 BTCと29,927.9イーサリアム(ETH-USD)を保有しています。

最近、同社は既存顧客との契約を拡大し、今後3年間で2,048 のGPU(画像処理半導体)を追加します。この契約により、今後3年間、年間ベースで9,200万ドルの売上高が追加される見込みです。

ビット・デジタル株は良い投資先か?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、3人全員が「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の5.83ドルは、今後12カ月で38.8%上値余地を示唆しています。過去6カ月で株価は51%以上上昇しました。

3位 クリーンスパーク(CleanSpark, CLSK)

クリーンスパークは米国の持続可能なビットコインマイニング企業で、原子力、水力発電、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーソリューションをマイニング業務に使用しています。同社は低炭素電力で稼働するデータセンターと、ジョージア州、ニューヨーク州、ミシシッピ州に複数のマイニング施設を運営しています。

6月30日現在、クリーンスパークのハッシュレートは20.4EH/sで、半期目標の20EH/sを上回り、2024年5月比で13.5%増加しています。また、同社は6月に445ビットコインを採掘し、月末時点で6,591のビットコインを保有しています

なお、クリーンスパークはGRIIDインフラストラクチャーを1億5500万ドル相当の全株式取引で買収することも発表しました。この買収は、クリーンスパークの採掘事業とハッシュレート能力を大幅に向上させる見込みです。

クリーンスパーク株は「買い」か?

TipRanksによれば、クリーンスパーク株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が3人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の24.38ドルは、今後12カ月で33.2%の上値余地を示唆しています。株価は年初来で65.9%以上急騰しています。

結論

仮想通貨マイナーへの投資は、高いリスク・リターンを伴います。それでも、急速に進化するデジタル資産市場へのエクスポージャーを得たい投資家は、ポートフォリオを強化するために前述の3つの仮想通貨銘柄を検討できるでしょう。これらの企業はアナリストから「強気買い」の評価を受けており、株価上昇の可能性を示しています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 “Strong Buy” Cryptocurrency Stocks, According to Analysts原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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