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アナリストによる、今買うべき小売株ベスト3(2024年5月)

ストーリーハイライト

ウォール街のアナリストによると、ファイブ・ビロウ、TJX、ウォルマートは2024年5月に買うべき小売株ベスト3です。小売セクターは、物価上昇と金利高止まりにより圧迫されています。消費者はマクロ的な不透明感から裁量的な一般消費財の購入を控えています。

しかし、インフレが冷え込む兆しを見せていること、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利下げに踏み切る見通しであることから、今年は小売企業にとってより良い年になると予想されています。さらに、2024年4月の最新の小売売上高統計によれば、個人消費は回復傾向にあります。

TipRanksの比較ツールを使い、コンセンサス評価が「強気買い」で上値余地があり、不透明な状況でも依然として地歩を保っている3銘柄を見てみましょう。

1位 ファイブ・ビロウ(Five Below, NASDAQ:FIVE)

ファイブ・ビロウは、ほとんどの商品を5ドル以下で販売する、米国のディスカウント専門店チェーンで、若者に人気があります。ゲーム、ファッションアクセサリー、スポーツ用品、キャンディ、ホビー用品、文房具、書籍など、様々な商品を提供しています。なお、過去1年間で、株価は30.3%下落しています。

2024年2月3日終了の直近四半期で、ファイブ・ビロウの純売上高は前年同期比19.1%急増し、一株当たり利益(EPS)は19%増加しました。

新規出店を加速、高価格業態も導入へ

2024年度第1四半期の売上高は8億2,600万ドル~8億4,600万ドル、既存店売上高は0%~2%の伸びが予想されています。2024年度通期の売上高は39億7,000万ドル~40億7,000万ドル、EPSは5.71ドル~6.22ドルと予想されています。

ファイブ・ビロウは2024年度に225~235店舗を新規出店し、約200店舗をファイブ・ビヨンド(高価格で利益率の高い)業態に転換する予定です。同社はまた、成長と収益性を促進するために、シュリンク・ミティゲーション(盗難の削減)技術の強化に取り組んでいます。

ファイブ・ビロウ株は「買い」か?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が11人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の203.93ドルは、今後12カ月で57.4%の上値余地を示唆しています。

2位 TJX (TJX Companies Inc., NYSE:TJX)

TJXは、米国内外でオフプライス(最終・過剰在庫のブランド品を買い取り、割引販売すること)のアパレルとホームファッションの店舗チェーンを展開しています。同社は実店舗を運営し、20%から60%の割引価格で商品を提供しています。有名ブランド店には、T.J. Maxx、Marshalls、HomeGoods、T.K. Maxxなどがあります。

TJXは、1株当たり0.38ドルの定期的な四半期配当を出しており、配当利回りは1.36%でセクター平均(0.992%)を上回っています。さらに、同社は株主価値を高めるため、定期的に自社株買いを実施しています。2025年度には、一定の基準に従って20億ドルから25億ドルの自社株買いを実施する予定です。

2025年第1四半期(2023年11月-2024年1月期)に、TJXはアナリスト予想を上回る利益と売上高を計上しました。しかし、経営陣のEPSガイダンスの範囲はコンセンサス予想を下回りました。なお、2025年度通期については、既存店売上高について2%~3%の伸びを予想し、EPSガイダンスはコンセンサス予想を上回る4.03ドル~4.09ドルの範囲に引き上げました。

TJX株の目標株価は?

TipRanksによれば、TJX株の平均目標株価は114.09ドルで、今後12カ月で13.9%の上値余地を示唆しています。過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が19人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。過去1年間で株価は30.4%上昇しました。

3位 ウォルマート (NYSE:WMT)

ウォルマートは言うまでもなく米国の巨大小売企業です。ハイパーマーケット、ディスカウントデパート、会員制小売チェーン「サムズクラブ」を展開しています。さらに、19カ国で複数のeコマースサイトを運営し、シームレスなデジタルショッピング体験を提供しています。

過去1年間で株価は31.8%上昇しています。ウォルマートはまた、1株当たり0.21ドルの定期的な四半期配当を支払っており、配当利回りは1.19%です。

強い需要により通期ガイダンスを上方修正

2025年度第1四半期(2024年2-4月期)には、売上高、利益ともにコンセンサス予想を上回りました。需要の勢いが続いていることから、通期ガイダンスも引き上げました。ウォルマートは現在、純売上高が前年比3%~4%という従来の見通しの上限に達するか、それを上回ると予想しています。同様に、調整後EPSも2.23ドル~2.37ドルと、前回見通しのレンジの上限かそれを上回る見込みです。

特筆すべきは、ウォルマートのeコマースの普及が、店舗での集荷・配達に支えられて急速に拡大していることです。第1四半期のeコマースの売上高は、全世界で21%増加しました。さらに広告事業でも売上高を伸ばしています(24%増)。一方、同社はレイオフや従業員の配置転換などのコスト削減策を実施しており、店舗や倉庫の自動化と相まって収益性を高めています。

ウォルマート株の目標株価は?

TipRanksによれば、ウォルマート株の平均目標株価は70.76ドルで、今後12カ月で9.1%の上値余地を示唆しています。過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が25人、「中立」が4人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。

終わりに

上記3つの小売株は、セクターにおいてアナリストの楽観的な評価を集めている数少ない銘柄です。投資家は、十分な調査を行った上で、これらの小売株への投資を検討できます。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Best Retail Stocks to Buy in May 2024, as per Analysts原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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