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アナリストによる今買うべき中型株ベスト3(2024年6月)

ストーリーハイライト

ポテンシャルが大きい中型株へのエクスポージャーを求める投資家は、アナリストが高く評価する以下の3銘柄を検討できるでしょう。

ウォール街のアナリストによると、サイバーアーク・ソフトウェア、メイクマイトリップ、チャーチル・ダウンズは、2024年6月に買うべき中型株ベスト3です。TipRanksの株式スクリーナーツールを活用してこの3銘柄を特定しました。米国市場における中型株とは、時価総額が20億ドルから100億ドルの企業を指します。

中型株は、小型株と大型株の長所を併せ持っています。通常、小型株よりもボラティリティが低い一方で、大型株よりも事業の成長可能性が大きいです。そして中型株への投資は、分散投資によってポートフォリオに有利に働きます。

1位 サイバーアーク・ソフトウェア (CyberArk Software Ltd., NASDAQ:CYBR)

イスラエルに拠点を置くサイバーアーク・ソフトウェアは、IDセキュリティソリューションを提供しています。同社のIDセキュリティプラットフォームは、人間または機械を問わず、あらゆるIDへのアクセスを保護するのに役立ちます。

重要なのは、サイバーアークが最近、機械ID管理プロバイダーであるVenafiの買収を決定したことです。これは、サイバーアークの売上高と利益率を向上させ、TAM(獲得可能な最大市場規模)を約100億ドル増の600億ドルに拡大すると見込まれています。

サイバーセキュリティとID管理に対するニーズの高まりが追い風に

サイバーセキュリティとID管理に対するニーズの高まりは、サイバーアークのようなサイバーセキュリティ企業にとって好材料です。同社は、Venafiを買収するために現金と株式で合計15億4,000万ドルを支払う予定で、この取引は2024年後半に完了する予定です。

2024年第1四半期には、売上高と利益の両方でアナリストの予想を上回りました。売上高は37%増加し、調整後1株当たり利益(EPS)は、前年同期の1株当たり損失0.17ドルから0.75ドルへと大幅にプラスに転じました。

通期ガイダンスを上方修正

さらに、同社は2024年通期のガイダンスを引き上げました。総売上高は前年比23%から25%の成長を見込んでいます。また、調整後EPSは1.88ドルから2.07ドルの範囲で、2023年の1.12ドルを大幅に上回る見通しです。

サイバーアーク・ソフトウェア株は「買い」か?

ウォール街アナリストは、特にVenafi買収による相乗効果を期待して、サイバーアーク・ソフトウェア株に非常に楽観的です。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が21人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は298.68ドルで、今後12カ月で29.9%の上値余地を示唆しています。過去1年間で株価は54.1%上昇しています。

2位 メイクマイトリップ (MakeMyTrip Ltd., NASDAQ:MMYT)

インドを本拠とするメイクマイトリップは、航空券、国内外のホリデーパッケージ、ホテル予約、鉄道・バスチケットの予約を可能にする幅広いオンライン旅行ポータルを運営しています。同社は、MakeMyTrip、Goibibo、Redbusの3つのブランドでビジネスを展開しており、世界中の拠点拡大を目指しています。

最近、中東の湾岸地域に参入し、航空券とホテルに関する旅行ソリューションを提供しています。

個人投資家も強気、直近決算はアナリスト予想を大幅に上回る

個人投資家はメイクマイトリップ株に対して非常に強気です。過去30日間で、同社株を保有するポートフォリオ数は32.5%増加し、投資家センチメントシグナルは「非常にポジティブ」です。

2024年度第4四半期(2024年1-3月期)の売上高とEPSは、大差でアナリスト予想を上回りました。重要なのは、売上高が前年同期比で36.6%増加したことで、これは総予約件数が21.8%増加したことが背景にあります。さらに、希薄化後EPSは1.26ドルと、前年の0.05ドルから大幅に増加しました。

メイクマイトリップ株の目標株価は?

アナリストは、メイクマイトリップの予約総数と利益の伸びを高く評価しています。TipRanksによれば、メイクマイトリップ株の平均目標株価は92ドルで、今後12カ月で17.9%の上値余地を示唆しています。過去3カ月間のアナリストレーティングは、5人全員が「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。興味深いことに、過去1年間で株価は182.5%も急騰しています。

3位 チャーチル・ダウンズ (NASDAQ:CHDN)

チャーチル・ダウンズは米国のエンターテイメント企業で、ケンタッキーダービーを中心とした、競馬、オンライン賭博、ゲームなどを展開し、ライブおよび歴史的なレースエンターテイメント会場などを運営しています。また、地域カジノゲーミング施設の開発と運営も行っています。注目すべきは、1株当たり0.382ドルの四半期通常配当を出していることで、配当利回りは0.29%です。

パンデミック後の経済再開により需要拡大

新型コロナウイルスパンデミック(世界的流行)後の経済再開により、チャーチル・ダウンズへの需要が高まっています。2024年第1四半期の売上高と調整後EPSはコンセンサス予想を大幅に上回りました。ライブおよび歴史的レース部門とツインスパイヤーズ部門の堅調な伸びを背景に、売上高は前年同期比6%増の5億9,090万ドルとなりました。

また、調整後EPSは前年同期比15.3%増の1.13ドルでした。同社は自社株買い計画に基づき2,200万ドル相当の株式を買い戻しました。

チャーチル・ダウンズ株の目標株価は?

TipRanksによれば、チャーチル・ダウンズ株の平均目標株価は150ドルで、今後12カ月で12.8%の上値余地を示唆しています。過去3カ月間のアナリストレーティングは、6人のアナリスト全員が「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。過去1年間では株価はほぼ横ばいで推移しています。

結論

上記の中型株3銘柄は、アナリストの支持が高く、強力なビジネスモデルを誇っています。加えて、3銘柄ともスマートスコア(TipRanksが独自開発した定量的株式スコアリング・システム)が9または「パーフェクト10」であり、そのパフォーマンスは今後広範な市場を上回る可能性が高いことを示唆しています。十分なリスク・リターン・プロファイルを持つ投資家は、綿密な調査を行った上で、これらの中型株への投資を検討できます。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Best Mid-Cap Stocks to Buy in June 2024, as per Analysts原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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