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アナリストによる、今買うべき中型株ベスト3(2024年4月)

ストーリーハイライト

ウォール街のアナリストによる、2024年4月から5月にかけて買うべき中型株ベスト3です。中型株は、時価総額が20億ドルから100億ドルの企業です。これらの銘柄は一般的に、小型株よりも変動が小さく、同時に、大型株に比べると、成長性や株価上昇の可能性が大きいです。

中型株は小型株と大型株の両方の特徴を兼ね備えているため、ポートフォリオに良い分散効果をもたらします。景気後退期には、中型株は小型株よりも下落が遅くなる傾向があります。一方、景気拡大局面では、中型株は大型株をアウトパフォームする傾向があります。このような背景を念頭に置き、アナリストのコンセンサス評価が「強気買い」で、今後12カ月で40%以上の上値余地が期待できる中型株3銘柄を見てみましょう。

1位 アカデミー・スポーツ・アンド・アウトドアーズ(Academy Sports and Outdoors, NASDAQ:ASO)

テキサス州に本社を置くアカデミー・スポーツ・アンド・アウトドアーズは、米国のフルライン・スポーツ用品およびアウトドア・レクリエーション小売企業です。アカデミーが提供するのは、狩猟、釣り、キャンプ用品やギア、スポーツ・レジャー用品、フットウェア、アパレルなどです。

2023年第4四半期(2024年2月3日終了)の直近決算で利益および売上高がアナリスト予想を下回り、これ受けて株価が12%下落しました。株価は2024年に入ってから9.9%下落しています。プラス面では、四半期配当を22%増の1株当たり0.11ドルに引き上げ、利回りは0.64%となっています。

インフレと高金利環境の圧力に直面

新型コロナウイルスパンデミック(世界的大流行)の影響により、アカデミー製品の需要は低迷してきました。そして、ここ数四半期は、インフレと高金利環境の圧力にさらされています。

マクロ的な逆風に対抗し、成長を加速させるため、アカデミーは2024年度に15-17店舗の新規出店を目標としています。また、オムニチャネルの拡大、顧客データの取得と活用、サプライチェーンの改善にも注力します。2024年度の売上高は、2023年度の61億6,000万ドルを上回る60億7,000万ドルから63億5,000万ドルを予想しています。希薄化後一株当たり利益(EPS)は、2023年度の6.70ドルに対し、5.90ドルから6.90ドルの範囲と予想しています。

アカデミー・スポーツ・アンド・アウトドアーズ株は「買い」か?

アナリストは、今年のアウトドア活動に変化が起こると予想しているようです。TipRanksによれば、アカデミー株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、15人のアナリストが一致して「買い」を付けており、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の89.80ドルは、今後12カ月で47.8%の上値余地を示唆しています。

2位 ネクストラッカー (NEXTracker Inc., NASDAQ:NXT)

ネクストラッカーは、世界中の公益事業および分散型生成ソーラープロジェクト向けに、インテリジェントな統合型ソーラートラッカーとソフトウェアソリューションを提供しています。同社の製品は、ソーラーパネルが太陽の動きを追跡し、発電所のパフォーマンスの最適化が可能となります。

ネクストラッカーの株価は、再生可能エネルギーへの大規模な移行と脱炭素化への取り組みを背景に、過去1年間で42.9%上昇しました。同社は、5月14日の市場終了後に2024年度第4四半期(2024年1-3月期)と2024年度通期の決算を発表する予定です。

同社は、ソーラートラッカーの継続的な需要モメンタムに基づき、2024年度の年間ガイダンスを引き上げました。売上高は24億2,500万~24億7,500万ドル、調整後EPSは2.55~2.75ドルと予想しています。

ネクストラッカー株は「買い」か?

複数のアナリストが、第2四半期の設置台数の鈍化を踏まえ、ネクストラッカー株の目標株価を引き下げましたが、強気の見方は維持しています。全体としては、TipRanksによれば、ネクストラッカー株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が17人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の63.32ドルは、今後12カ月で43.6%の上値余地を示唆しています。

3位 ダーリン・イングリーディエンツ (Darling Ingredients, Inc., NYSE:DAR)

ダーリン・イングリーディエンツは、消費関連ディフェンシブ銘柄です。同社は畜産業や食品産業から原料を集め、高品質の脂肪やタンパク質に加工します。そしてそれらは動物の飼料や作物の栄養として使われ、再生可能エネルギーとして世界を活性化するために利用されます。

4月25日に発表された2024年度第1四半期決算によれば、売上高は前年同期比20.7%減の14億ドル、希薄化後EPSは、前年同期の1.14ドルから0.50ドルに半減しました。同社は、脂肪価格の急落と再生可能燃料合弁会社ダイヤモンド・グリーン・ディーゼル(DGD)の収益悪化を減益の理由に挙げています。

同社は、利益率を改善するため、購買プロセスの調整と営業コストの削減を行い、ビジネスサイクルの乗り切りに取り組んでいます。今後の見通しとしては、主力事業であるスペシャリティ事業の反転を楽観視しており、DGD部門の業績改善が期待されます。

ダーリン・イングリーディエンツ株は「買い」か?

決算発表後、5人のアナリストがダーリン・イングリーディエンツ株の「買い」推奨を再表明しました。これらのアナリストは、2025年に向けた進捗と、持続可能な航空燃料(SAF)の生産量増加が期待できると楽観的な見方をしています。さらに、DGD部門の業績は今後数四半期で強化される見込みで、成長余地がさらに広がると見ています。

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が10人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の63ドルは、今後12カ月で42.5%の上値余地を示唆しています。

結論

上記で取り上げた3つの中型株は、ポートフォリオの分散化のために検討できます。これらの企業は、明るい将来展望とアナリストの強気な評価もあり事業の成長を予想しています

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Best Mid-Cap Stocks to Buy in April 2024, According to Analysts原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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