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資金フローに基づく今買うべき3つのETF(2024年11月29日)

ストーリーハイライト

上場投資信託(ETF)を購入する場合、その資金フローは重要な評価基準となります。資金フローは、特定の期間におけるETFへの資金純流入・流出額を表し、投資家の動向や市場のトレンドを把握する手がかりとなります。

ETF売買を調査することで、資金フローが算出されます。投資家の購入により新しいETFが発行されると、資金流入が発生し、ETFの運用資産(AUM)が増加します。逆に、投資家が売却してETFが償還されると資金流出が発生し、AUMが減少します。

資金フローは投資家センチメントを理解する上で重要

資金フローは投資家のセンチメントを理解する上で重要なツールです。 資金フローがプラス(純資金流入)であることは、投資家の信頼感とETFの原資産への関心が高まっていることを示すことが多いです。一方、資金フローがマイナス(純資金流出)の場合、ETFへの関心が低下していることや弱気な見通しを示している可能性があります。

さらに、資金フローはETFの流動性において重要な役割を果たします。通常、資金フローの増加は流動性を高め、価格への影響を最小限に抑えながらより円滑な取引を可能にします。全体として、資金フローは投資家の行動と市場の動向を示します。

それでは、TipRanks ETF スクリーナーを使用して、資金フローの上位3つのETFを見てみましょう。

IWM:ラッセル2000小型株指数へのエクスポージャーを提供

「iシェアーズ・ラッセル2000バリューETF」(iShares Russell 2000 Value ETF, IWM)は米国籍のETFで、米小型株指数であるラッセル2000へのエクスポージャーを提供しており、単一銘柄が資産の大部分を占めることはありません。過去1年間で、IWMは35%以上も急騰しました。運用資産総額(AUM)は813億ドルで、年初来で8億3,590万ドルの資金流入がありました。

TipRanksによれば、IWMについてアナリストは慎重ながらも楽観的な見方をしており、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄のコンセンサス評価に基づいており、1,275銘柄が「買い」、627銘柄が「中立」、49銘柄が「売り」です。IWMの平均目標価格274.79ドルは、今後12カ月で14.1%の上値余地を示唆しています。

FVD:配当株への投資機会を提供

ファースト・トラスト・バリュー・ライン配当指数ファンド(First Trust Value Line Dividend Index Fund, FVD)は米国籍のETFで、配当株への投資機会を提供します。FVDは、独自の手法で株式を評価する著名な調査会社バリューラインのランキングを利用しています。なお、このETFは、他の人気の高い配当ETFと比較した場合、0.6%と高い経費率となっています。年初来では、FVDは16.7%上昇し、5億7,600万ドルの資金流入を記録しました。

TipRanksによれば、アナリストはFVDに対して慎重ながらも楽観的な見方を維持しており、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄のコンセンサス評価に基づいており、132銘柄が「買い」、77銘柄が「中立」、8銘柄が「売り」です。FVDの平均目標価格49.05ドルは、今後12カ月で5.3%の上値余地を示唆しています。

XMMO:中型株指数に連動する投資成果を目指す

インベスコS&P中型株モメンタムETF (Invesco S&P MidCap Momentum ETF, XMMO)は、米国の優れた中型株指数(S&P中型株モメンタム・インデックス)に連動する投資成果を目指します。年初来では、XMMOは5億1870万ドルの資金流入とともに45%以上急騰しました。

TipRanksによれば、アナリストはXMMOについて慎重ながらも楽観的な見方をしており、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄のコンセンサス評価に基づいており、62銘柄が「買い」、16銘柄が「中立」です。XMMOの平均目標価格140.23ドルは、今後12カ月で4.1%の上値余地があることを示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Best ETFs to Buy Now, 11/29/2024, According to Fund Flows原文翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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