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アナリストによる、今買うべき航空株ベスト3(2024年7月)

ストーリーハイライト

急成長する航空セクターへの投資を検討している投資家は、アナリストの支持を集め、堅調な株価上昇が期待できる以下の3銘柄に注目すべきでしょう。

ウォール街のアナリストによると、2024年7月に買うべき航空株ベスト3は以下の通りです。米国の夏休みとパリで開催される夏季オリンピックによる航空需要のピークにより、航空会社はほぼフル稼働状態となっています。

TipRanksの銘柄比較ツールを使って、アナリストのコンセンサス評価が「強気買い」で、今後12カ月の平均目標株価が30%以上の上値余地がある航空会社を3銘柄選びました。興味深いことに、これら3銘柄はアナリストから満場一致で「買い」評価を得ており、堅実な成長軌道が示されています。

1位 サン・カントリー・エアラインズ・ホールディングス (Sun Country Airlines Holdings, NASDAQ:SNCY)

サン・カントリー・エアラインズ・ホールディングスは、定期旅客サービス、チャーター便、貨物業務を提供する、米国の新しいタイプのハイブリッド格安航空会社です。同社は地域航空会社であり、米国、メキシコ、カナダ、中米、カリブ海地域で運航しています。

貨物便の主要顧客はアマゾン

重要なのは、サン・カントリーが主要顧客であるアマゾン(NASDAQ:AMZN)と2030年までの航空輸送サービス契約を締結しており、アマゾンの貨物を全米に輸送していることです。サン・カントリーは、アマゾン向け貨物便を12便から20便に拡大しました。モルガン・スタンレーのアナリスト、ラビ・シャンカー氏は、この契約により2025年後半から同社の一株当たり利益(EPS)が1ドル増加すると考えています。

サン・カントリーは最近、2024年第2四半期の売上高ガイダンスの上限を引き下げ、売上高は2億5,500万ドル~2億5,700万ドルと予想していますが、コンセンサスはそれより若干高い2億5,833万ドルと見込んでいます。同時に、2024年通期のブロックアワー(航空機の稼働状況の指標)は旅客部門で前年比9%増、貨物部門で同5%増となる見込みです。

同社は株主還元のため定期的に自社株買いを実施しています。2024年第1四半期には1,150万ドル相当の株式を買い戻しました。

サン・カントリー株は「買い」か?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、5人全員が「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の19.80ドルは、今後12カ月で56.4%の上値余地を示唆しています。年初来では株価は19.5%下落しています。

2位 ユナイテッド航空ホールディングス (United Airlines Holdings, NASDAQ:UAL)

シカゴに本社を置くユナイテッド航空ホールディングスは、米国の4大航空会社の1つであるユナイテッド航空の親会社です。同社の膨大な航空機群は6大陸にわたって運航されており、旅客と貨物の両方の輸送サービスを提供しています。

ユナイテッドは7月17日の市場終了後に2024年第2四半期決算を発表する予定です。調整後EPSは3.99ドル、売上高は151.5億ドルと予想されています。前年同期は、調整後EPSは5.03ドル、売上高は141億8,000万ドルでした。

5月中旬、ユナイテッドは5月23日から28日のメモリアルデー休暇中に300万人の旅行者を見込んでおり、第2四半期の売上高を押し上げるだろうと発表しました。さらに同社は、7月に共和党全国大会が開催されるミルウォーキー発着の200便、8月には民主党全国大会が開催されるシカゴ発着の118便を新たに追加すると発表しました。この措置により、全国大会への参加者や政治関係者が容易に移動できると同時に、第3四半期の売上高も増加します。

ユナイテッド航空ホールディングス株は「買い」か?

TipRanksによれば、ユナイテッド航空ホールディングス株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、16人全員が「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の71.70ドルは、今後12カ月で48.8%の上値余地を示唆しています。年初来で株価は17%近く上昇しています。

3位 デルタ航空(Delta Air Lines, NYSE:DAL)

デルタ航空は、もう一つの米4大航空会社で、レジャーおよびビジネス旅行の航空会社として位置づけられています。アトランタを本拠とするデルタ航空は、50カ国275都市に約2億人の旅行者を送り、1日最大4,000便を運航しています。

同社の取締役会は最近、四半期配当を50%引き上げ、1株当たり0.15ドルとしました。配当利回りは現在0.63%となっています。

デルタ航空は7月11日に2024年第2四半期決算を発表する予定です。ウォール街は売上高154億7,000万ドル、調整後EPSで2.36ドルを予想しています。同社経営陣は売上高を前年同期比5%~7%増(中間値で約165.1億ドル)、調整後EPSを2.20ドル~2.50ドルと予想しています。前年同期は売上高155.8億ドル、調整後EPSは2.68ドルでした。

デルタ航空の将来は?

アナリストはデルタ航空の株価の今後について非常に楽観的です。TipRanksによれば、デルタ航空株のコンセンサス評価は「強気買い」で、過去3カ月間のアナリストレーティングは、17人全員が「買い」です。平均目標株価の61.30ドルは、今後12カ月で31.2%の上値余地を示唆しています。年初来で株価は16.6%上昇しています。

結論

上記の航空株3銘柄は、米国内外で成長する航空業界への絶好のエクスポージャーを提供します。航空セクターへの投資を検討している投資家は、十分な調査の後、これらの銘柄を選ぶことができます。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Best Airline Stocks to Buy in July 2024, According to Analysts原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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