あらゆるモノがインターネットで繋がる現代社会。
ブロックチェーン技術を用いて、新しいネットワークを開発しているのが仮想通貨Heliumです。
Heliumの技術では、ワイヤレスネットワークをこう受信感度かつ低消費電力を実現できます。
本記事では「仮想通貨Heliumとは?」をテーマに、基本~最新情報に加え、価格推移から今後の予想まで徹底的にまとめました。
仮想通貨Heliumとは?
Heliumは、ブロックチェーン技術を用いてIoT向けのピアツーピアのワイヤレスネットワークの構築を目指すプロジェクトです。
Heliumを利用する事業者はルーターを購入し、メインネットに接続することでルーター同士が接続し、ネットワークを構築します。
LoRaというIoT向けの通信方式を採用しており、高受信感度、低消費電力の長距離通信を実現しました。HeliumはSemtech CorporationというLoRaWANプロトコルサプライヤーと提携することで、LoRa方式を提供しています。
モノをインターネットに接続し、情報交換をするIoTは、今後ますますユースケースが増えていくことが期待されます。しかし多くのデータをネットワークを介して送りあう都合上、セキュリティやプライバシーの保護に力を注がなくてはなりません。また常時情報交換をするため電力消費量も問題です。
Heliumはブロックチェーン技術やLoRa方式を利用することでIoTの課題を解決し、IoTの普及を促進しています。
仮想通貨Heliumに関する最新情報まとめ
リリース日 | 概要 | 情報ソース |
2021年4月10日 | Heliumが提供するピアツーピアネットワークの拡大 | |
2021年4月27日 | HeliumがFreedomFiとパートナーシップを締結 | |
2021年7月2日 | HeliumはConsole2.0のベータ版のリリース |
Heliumの主なプロジェクトであるP2P(ピアツーピア)ネットワークは、利用者の拡大がネットワークとしての流動性を決めます。
2021年は、ネットワーク拡大へのポジティブな活動が好材料として多く公開されました。
特に、課題であったアジア圏への提供が改善方向に向かっている事が重要でしょう。
同時期にはHNTトークンの価格も最高値を記録するなど、投資家家からの関心もうかがが得ます。
それでは、仮想通貨Heliumに関する最新情報を詳しく見てみましょう。
Heliumが提供するピアツーピアネットワークの拡大
2021年4月10日、HeliumはHeliumが提供するピアツーピアネットワークであるPeople’s Networkの対象範囲の拡大について報告しました。
サービスの開始以来、People’s Networkはアメリカやヨーロッパを中心にサービスを展開してきました。Heliumが提携するSemtech Corporationが北米に拠点を置いているためです。日本や中国にも数台ルーターが設置されていましたが、ネットワークを構築するには不十分でした。
しかし2021年3月31日、HeliumのサードパーティサプライヤーであるBobcatが中国に向けて2000台のルーターを出荷したことを発表しました。Heliumのルーターは世界中で15万以上の注文があり、着実にネットワークを拡大しています。特に中国に一大ネットワークを構築することで、今後アジア圏でも拡大が期待できるでしょう。
Heliumはルーターを増やすことでよりネットワークの分散性を高めることができ、データの保護する能力などが高まります。中国への本格的な進出はプロジェクトにとって重要なマイルストーンになるでしょう。
HeliumがFreedomFiとパートナーシップを締結
2021年4月27日、Heliumは5Gへの対応を目的に、5Gを提供するFreedomFiとのパートナーシップを提携しました。サービスを開始して以来、HeliumはIoTに適したLoRa方式のみを展開してきました。
5Gは高速・大容量通信、低遅延、多数端末との接続を実現した次世代の通信システムです。4K/8K規格の高精度映像やVR、更に多くの分野への応用や新興国向けの安価なアーキテクチャの構築など様々なユースケースが想定されています。
そこでHeliumはFreedomFiの提供する5Gゲートウェイと提携し、People’s Networkでも5Gを導入しました。FreedomFiの提供する、Heliumとの互換性を持った接続デバイスは2021年4月27日から販売前の順番待ちリストを公開しています。
Heliumの提供する新しい5Gネットワークは、2021年中にアメリカの一部の都市に提供される予定です。2021年の後半にはLoRa同様拡大していくことが予想されます。
HeliumはConsole2.0のベータ版のリリース
2021年7月2日、HeliumはConsole2.0のベータ版のリリースを発表しました。ConsoleとはPeople’s Networkの利用者向けに提供されるソフトウェアです。
利用者がPeople’s Networkに接続したデバイスや利用した組織について管理できるフロントエンド向けの機能と、LoRaWANネットワークサーバー(LNS)としての機能を持っています。現状、Heliumはサードパーティ向けのアプリと連携できていないため、ConsoleがPeople’s Networkを管理できる唯一のソリューションとなっています。
Console2.0ではより直感的で合理的なユーザーエクスペリエンスを提供できるよう、グレードアップしました。Console2.0アップデートの中心的な内容としては、Flowsという新しい機能があげられます。
Flowsはこれまで複雑化されていたフロントエンド向けの機能をよりグラフィカルに操作できるようにする機能です。各地に配置されたノードやノード間のデータの流れをより視覚的に捉えることができます。
仮想通貨Heliumの将来性
Heliumの将来性は、ネットワーク拡大の動きから見て非常に期待が高いです。
Heliumのホットスポットと言われるルーターは2021年7月7日時点で世界中に78000以上も設置されており、今も増えています。各ホットスポットは最大で10平方マイル(約26平方キロメートル)をカバーするため、ホットスポットが増えれば増えるほどネットワークが強化されます。
従来、無線通信プロバイダーは中央集権性の高いビジネスのひとつでした。セキュリティやプライバシーの保護に費用が必要であるためです。費用も月額制で、決して安価ではありません。
その点、Heliumの料金体系は革新的です。Heliumの無線通信を開始するには、ルーターの料金とルーターの電気代しかかかりません。LoRa方式の場合はルーターも消費電力が少なくて済みます。毎月の料金は従来のものの数分の1ほどに抑えられます。
加えてHeliumはIoTの課題であるセキュリティやプライバシーの保護を、不正や改ざんに強いブロックチェーン技術を利用することで実現しました。
Heliumの独自トークン「HNT」
Heliumの提供するPeople’s Networkの根幹をなしているのが、ネイティブトークンであるHNTトークンです。
HNTはPoC(Proof of Coverage)という独自のコンセンサスアルゴリズムを採用したトークンで、ホットスポットを利用することで手に入れることができます。
ホットスポットはPeople’s Networkのハードウェアルーターであると共に、マイニングマシンとしても機能します。People’s Network内で行われたデータの送受信を検証し、検証に応じてHNTを受け取ることができるのです。
またHNTはPeople’s Networkの利用料金としても機能します。ネットワークの利用者がデータの送受信を行うためには、手数料としてData Creditsというトークンを支払わなくてはなりません。Data Creditsは価格がアメリカドルに固定されたトークンで、HNTと交換することで発行できます。
Data Creditsと交換されたHNTはバーンされ、永久に使うことができなくなります。Data Creditsを使って、HNTの流通量がコントロールされているのです。
仮想通貨Heliumの価格推移と今後
Helium/HNTの基本情報 | |
Helium/HNTの価格 | ¥1,413.13 |
一日の出来高 | ¥1,038,520,110 |
マーケットドミナンス | 0.08% |
市場ランキング | 67位 |
時価総額 | ¥126,635,663,206 |
直近1年間の高値/安値 | ¥2534.04/¥35.08 |
最大供給 | 223,000,000HNT |
※価格等の情報は2021年07月11日時点のCoinmarketcapより引用
Heliumの独自トークンHNTは、海外主要取引所の大半に上場しています。
市場規模が最も大きいのはBinance(バイナンス)のHNT/USDTの通貨ペアです。
BinanceのHNT/USDTは、全体の40%近くを占めておりHNTトークンの価格推移に大きく影響します。
2020年9月に上場以降、HNTトークンは堅調に長期的な上昇トレンドを継続しており、2021年5月には史上最高値23.9USDTを記録しました。
2020年3月に付けた史上最安値0.686USDTから約33倍の価格であり、過去2年間で最も利益率の高いアルトコインの1つと言えるでしょう。
日足レンジが今後の焦点
HNT/USDT日足チャートからは、長期の上昇トレンドに対し、中期の下降トレンド発生が確認できます。
史上最高値更新以降では、ボラティリティの減少が確認でき、5月はビットコイン・イーサリアムと主要の仮想通貨市場が弱気であることも原因の1つです。
ただし、日足のレンジ相場からは右肩下がりのチャネル展開が見られているのは好材料です。
上昇トレンド発生中の右肩下がりチャネルは、フラッグのチャートパターンと上昇継続の押し目サインとなりやすいです。
したがって、チャネルの形が崩れない限り、引き続き上目線と予想されます。
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【10分で分かる!】ビットコインFXで「チャネルライン」の引き方・使い方
仮想通貨Heliumとは? まとめ
今回は「 仮想通貨Heliumとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ」のテーマでした。
この記事のポイントは以下の通りです。
- Heliumはブロックチェーン技術を用いてIoT向けのピアツーピアのワイヤレスネットワークの構築を目指すプロジェクト
- Heliumが提供するピアツーピアネットワークであるPeople’s Networkの対象範囲は、加速度的に広がっている
- Heliumは、5Gを提供するFreedomFiとのパートナーシップを提携
- Heliumのホットスポットと言われるルーターは2021年7月7日時点で世界中に78000以上も設置されてされている
- HNTはPoC(Proof of Coverage)という独自のコンセンサスアルゴリズムが特徴
- HNTトークンは、2020年9月から長期的な上昇トレンドを発生、2021年5月には史上最高値を更新しており、1年以内で30倍以上の価格となった
IoTや5Gといった単語は、仮想通貨に関心のない人々でも聞いたことがある現代を代表する言葉です。
あらゆるモノがインターネットに接続し、お金は電子の存在として仮想通貨が誕生しました。
商品の購入や工業のインフラなど、利便性が高まる半面でネットワークの維持は隠れたリスクです。
ブロックチェーン技術により、ユーザーがユーザーのための通信環境を運営できれば、コスト面やセキュリティも踏まえて大きな進歩が期待できます。
プロジェクト進捗の実体がある、Heliumには今後も大いに期待できるでしょう。
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