仮想通貨の今後

ビットコインと量子コンピューターの戦い。どんな影響が?

「量子コンピューターがビットコインを滅ぼす」「量子コンピューターが完成すればビットコインはなくなる」という話をご存知でしょうか。

量子コンピューターは次世代コンピューターで、通常のコンピューターよりもはるかに計算能力が高いです。量子コンピューターの特徴やビットコインに及ぼす影響について解説します。

ビットコインの今後が気になる人、量子コンピューターとビットコインの関係について詳しく知りたい人におすすめの記事になっています!

量子コンピューターとは

量子コンピューター

従来のコンピューターは、電流が流れるときを「1」、流れないときを「0」という状態で管理し、この2つの動作を組み合わせることで複雑な計算に対応していく仕組みになっています。この仕組みでは構造的に不可能な計算もあるため、限界が見えてきていました。

そこで、複雑な計算に対応するために現在取り組まれているのが次世代コンピューターで、その1つが「量子コンピューター」です。

量子コンピューターは、量子学で代表される重ねあいなどの現象を用いた計算を行うコンピューターのことです。通常のコンピューターの0と1の状態の間を使用が可能となり、より多くの計算能力を持ったコンピューターといわれています。

量子コンピューターの完成がビットコインに与える影響

ビットコインのウイルス

まだまだ開発途上の量子コンピューターですが、完成するとビットコインに大きな影響を与えるといわれています。どんな影響があるのでしょうか?

影響1 暗号技術が無効になる!?

暗号資産(仮想通貨)の基盤ともいえるブロックチェーンは、「公開鍵暗号方式」というシステムを採用しています。「公開鍵」と「秘密鍵」があり、「公開鍵」はデータに鍵をかけておく南京錠のようなもの。それを開ける鍵が「秘密鍵」といわれているものです。

この公開鍵はみんなで見られるように公開されていますが、秘密鍵はそれぞれが管理しているので、個人の持っているデータは見られる心配がありません。また、秘密鍵から自由に公開鍵を複合できます。秘密鍵は1つしかないので、公開鍵をいくら複合しても他人に見られる心配はないのです。そして、公開鍵から秘密鍵を複合するには、とてつもない計算が必要なので実質不可能と言われています。

量子コンピューターを使えば秘密鍵を作り出せる

しかし、その計算を量子コンピューターであれば可能なのです。公開鍵からいくらでも秘密鍵を作れてしまいます。そうなると、自由に他人の公開鍵を開けて、秘密の情報を覗き見ることができるようになります。

量子コンピュータがあれば公開鍵から秘密鍵を複合できるようになってしまい、実質暗号通貨とはいえない状態になってしまうのが問題とされています。

影響2 トランザクションの書き換え

トランザクションとは取引のことを指します。ビットコインを取引するときには、取引の記録をブロック内に記録し、マイナーが承認処置を行うことで取引を完了させることができます。

このトランザクションが承認されていない状態の時に、量子コンピューターを使ったハッカー達は、ハッキング可能でプライベートキーを改ざんできる可能性があると発見しました。

発見したのはシンガポール国立大学のリサーチャーです。コンピューターでどれだけ早くビットコインのセキュリティを破壊できるかを調査したときに発見したとのことです。

量子コンピューターが実現するとビットコインはどうなるのか?

現状のままだと、量子コンピューターが完成されれば、暗号通貨として機能を果たすことができずに、消滅してしまう可能性があります。

取引の記録を書き換えられたり、第三者に重要な情報を見られるのでは通貨として問題があるので当然といえますね。

ビットコインのとる量子コンピューター対策

ビットコインとは

ビットコインに希望はないのでしょうか?何か対策があるのであれば早急に対策したいところです。

対策1 対抗できるアルゴリズムを開発

現在、耐量子コンピュータ暗号資産(仮想通貨)とよばれる通貨が発表されています。

IOTA(アイオタ)やネオ、カルダノといった通貨は量子コンピューター耐性が高いとされています。これらの通貨に用いられているアルゴリズムを採用することで、ビットコインが対抗できる可能性はありますが、難しい問題ですね。

対策2 コミュニティの合意が必要

ビットコインは、一部の独断と偏見で仕様の変更はできません。マイナーたちによる合意が必要です。しかし、実際には一致団結するのは不可能なので、かなり厳しい状況にあると言われています。

ビットコイン以外の通貨が主流になる!?

ビットコインは量子コンピューターが完成されれば、かなり危ない通貨になってしまうことがおわかりいただけましたでしょうか。

量子コンピューターの対策を打たない限りは、ビットコインに将来性はないといえるでしょう。ただ、暗号資産(仮想通貨)がダメになるということはなく、ビットコイン以外の通貨が主流になっていくのではないでしょうか。

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