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テスラ株のアナリスト評価、強気派と弱気派の乖離続く

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大手EV(電気自動車)メーカーのテスラが10月23日に堅調な第3四半期決算を発表後、ウォール街アナリストは、同社に対する評価や目標株価を修正しています。それでも、依然として強気派と弱気派に分かれています。

目標株価は、JPモルガン・チェース(JPM)のアナリストが135ドルと低めに設定しているのに対し、モルガン・スタンレー(MS)のアナリストは310ドルと高めに設定しています。一部のアナリストは第3四半期の業績とイーロン・マスクCEOのコメントを前向きに評価していますが、一方で、依然として赤信号を点灯させているアナリストもいます。

テスラ株に対する強気な見通し

バンク・オブ・アメリカ(BAC)は、テスラ株の目標株価を255ドルから265ドルに引き上げ、「買い」推奨を再確認しました。 同行は、テスラが「あらゆる面で」予想を上回ったとし、同社の粗利益率の改善、コスト削減努力、規制クレジットの増加を評価しました。

モルガン・スタンレーは、第3四半期決算を「近年最も好調な業績」と見なし、同社株に対する見方が底を打った可能性があると指摘しました。その結果、モルガン・スタンレーはテスラ株の「買い」レーティングと310ドルの目標株価を再確認しました。

弱気な見通し

グッゲンハイムのアナリストは、テスラ株の目標株価を153ドルから156ドルに引き上げましたが、「売り」レーティングは維持し、テスラの自動車販売について引き続き疑問があること、また同社がサイバートラックの販売について限定的な情報しか提供していないことを理由に挙げています。

JPモルガンもテスラ株に対して弱気の見方を維持しています。同行は目標株価を130ドルから135ドルに引き上げましたが、「売り」レーティングを繰り返しました。同行は顧客向けメモで、テスラの第3四半期の収益成長は6四半期連続の減少の後であり、その成長の大部分は規制クレジットによるものだと述べています。

中立的な見解

注目すべきは、バークレイズ(BCS)とゴールドマン・サックス(GS)がテスラ株に対して「中立」評価を維持していることです。バークレイズはテスラ株の目標株価を220ドルに据え置きましたが、ゴールドマン・サックスは以前の230ドルから250ドルに引き上げました。

テスラ株は2024年の年初来で9%上昇しています。第3四半期決算発表後、株価は20%以上上昇しました。

ウォール街の全般的な見方は?

TipRanksによると、テスラ株の現在のコンセンサス評価は「中立」です。これは、過去3カ月間のアナリストレーティングの「買い」11人、「中立」16人、「売り」8人に基づいています。平均目標株価の207.83ドルは、今後12カ月で23.56%の下値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Analysts Revise Ratings on Tesla Stock (NASDAQ:TSLA) After Q3 Print原文翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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