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ストーリーハイライト
エヌビディア(NVDA)の株価は、6月に史上最高値を記録して以来、逆風が多方面から強まり24%下落し、輝きを失いつつあります。
次世代GPU(画像処理半導体)ブラックウェルの遅延と粗利益率への圧力が打撃を与えており、さらに同社のAI半導体市場における独占に対する米司法省の調査の可能性など、規制に関する懸念が最近浮上しています。競争やAIの収益化、9月の季節的な株式市場低迷、金利、選挙など、より広範な市場の問題といった他の要因もセンチメント低迷に拍車をかけています。
これらの要因を考慮すると、ウォール街の株式プロフェッショナルランキング上位1%に入る5つ星アナリストである、バンク・オブ・アメリカのアナリストのビベク・アーヤ氏は、短期的には「株価が抑制される」可能性があると見ています。
過去5年のバリュエーション平均で見ると今は「買い」の好機
しかし、同氏はさらに次のように述べています。「株価は2025年の予想利益に基づき予想PER(株価収益率)約27倍で取引されていて、過去5年間のバリュエーションの最低四分位(PERの中央値は36倍)内であるため、買いの好機となる可能性もあります。今後数週間のサプライチェーンデータで、次世代ブラックウェルの出荷準備が整ったことを確認できれば、ファンダメンタルズの回復に関するカタリストとなるでしょう」
AIへの設備投資と収益化に関する疑問は理解できるが、少なくとも2026年までは「そういう疑問は徒労」とアーヤ氏は考えています。AIへの設備投資は「新たなビジネスチャンスを生み出す」だけでなく、検索、ソーシャルメディア、企業向けワークロード(チャットやコパイロット機能など)といった分野における「既存事業の強みと大きな利益源」を守るためにも不可欠であると同氏は指摘しています。
次世代ブラックウェルの集中的な構築にはあと1~2年費やすことに
「テクノロジー業界は、AIトレーニングを4倍、推論を25倍以上も向上させるブラックウェル半導体の集中的な構築に少なくともあと1~2年を費やすでしょう」と、アーヤ氏は述べています。
さらに、エヌビディアの先端GPUホッパーのアーキテクチャを利用した大規模言語モデル(LLM)の取り組みはまだ「単なる始まり」に過ぎず、真の能力が発揮されるのは、OpenAIのGPT-5やメタのLlama 4のような次世代LLMが登場した時だとアーヤ氏は考えています。
今後12カ月で60%の上値余地を示唆
全体として、アーヤ氏は現在のエヌビディアのバリュエーションは魅力的な投資機会を提供していると考えています。
このため、アーヤ氏はエヌビディア株に「買い」レーティングを付け、目標株価は165ドルとしました。これは、今後12カ月で60%の上値余地を示唆しています。
ウォール街の見方は?
TipRanksによれば、エヌビディア株のコンセンサス評価は「強気買い」で、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が38人、「中立」が4人です。平均目標株価は151.79ドルで、今後12カ月で約48%の上値余地を示唆しています。
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本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、‘A Buying Opportunity Arises,’ Says Bank of America About Nvidia Stockの原文翻訳を中心にまとめています。
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