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ストーリーハイライト
今年は年初来で、AI関連銘柄が主導する形でテック関連の強気相場が継続しました。しかし、8月に一時的な停滞があった後、ウォール街の一部では、ついに上昇相場が息切れしたのではないかという見方もありました。しかし、ここ1カ月の反発は、調整は一時的なものに過ぎなかったことを示唆しています。
世界最大の資産運用会社であるブラックロックも、同様な見方をしています。同社のテクノロジー専門家は、現在の事業環境を分析し、今後について楽観的な見方をしています。
AI構築とコスト管理関与により、テクノロジーセクターは健全な収益成長を維持へ
「AIの構築とテクノロジー企業によるコスト管理への関与により、テクノロジーセクター全体で収益成長は健全な状態を維持できると当社は考えています」と、ブラックロックのテック投資家であるReid Menge氏とTony Kim氏は最近語りました。
「最近見られたようなボラティリティは、常に不安定要素ではありますが、予想外のことではなく、このエキサイティングなテーマ、そして持続的なテーマにおいて、買いのチャンスをもたらす可能性があります」
ブラックロックの確信は単なる言葉ではなく、行動で裏付けられています。ブラックロックは、テックおよびAIの大手企業であるアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)とアルファベット(NASDAQ:GOOGL)の第2位の投資家であり、これらの業界リーダーがさらなる成長の準備ができているという強い信念を示しています。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)
ブラックロックが推奨する最初の銘柄はAMDです。この大手半導体企業は、革新的なプロセッサとグラフィックカードで知られており、他の半導体市場大手であるインテルやエヌビディアと直接競合しています。長年にわたり、AMDは着実に成長を遂げ、消費者および企業セグメントの両方で人気のCPUとGPUで知られる業界の主要企業となりました。
同社の製品は、ゲーム、データセンター、AI向けに開発されており、これらの市場で大きな存在感を示しています。
破産寸前からリサ・スーCEOのリーダーシップにより劇的な転換、インテルの牙城崩す
AMDの過去10年間の歩みは、破産寸前の企業から、リサ・スーCEOのリーダーシップの下、インテルのCPU市場における圧倒的な優位性に食い込むことに成功した企業へと、劇的な転換を遂げました。
今、エヌビディアに照準を合わせる
そして今、AMDは別の独走企業を追い詰めることを視野に入れています。エヌビディアはAI半導体分野の王者ですが、AMDはその市場シェアを奪うことができる企業として見られています。エヌビディアほどの劇的な成長ではありませんが、AMDも堅調な成長を見せています。
ブラックロックはすでに相当なAMD株を保有していましたが、第2四半期にさらに580万株を追加購入しました。同社は現在、約1億3,038万株のAMD株を保有しており、時価総額は205億ドルを超えています。
ウォール街の見方は?
TipRanksによれば、AMD株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が26人、「中立」が6人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は190.25ドルで、今後12カ月で約39%の上値余地を示唆しています。
アルファベット
グーグルの親会社であるアルファベットは、YouTubeからWaymoの自動運転車、DeepMindのAI研究、その他さまざまな事業まで、多くの分野に手を広げています。しかし、その主な収益源は、オンライン市場を独占する検索エンジンを有する検索事業です。
グーグルを日常的に使用する世界中の何十億もの人々の生活に浸透しています。実際、その影響力は、反競争的かつ独占的慣行を理由に、米国司法省が反トラスト法違反の民事訴訟を起こすまでに至りました。
AIツールの使用拡大がグーグル検索の優位性を脅かし始める
しかし、グーグルに圧力をかけているのは米国の規制当局だけではありません。生成AIの台頭は、検索の普遍性が今後どのように進展していくかという点について疑問を投げかけています。OpenAIのChatGPTなど、AIツールの使用が拡大していることで、すでにグーグルの優位性が脅かされ始めています。
アルファベット、独自AIのジェミニでグーグル製品やサービスを強化へ
もちろん、アルファベットは脅威に対抗するために深く関与しており、大規模言語モデル(LLM)の能力を向上させることを目的とした次世代AIモデルのスイートであるジェミニを開発しました。ジェミニは、より洗練されたAI駆動型のインタラクションを提供し、さまざまなグーグル製品やサービスを強化することを目的としています。
ブラックロックは、アルファベットにおけるAIの進展に関して大いに注目しているとみられます。第2四半期にブラックロックは519万株のアルファベット株を買い増しており、保有株数は合計4億2,108万株となりました。現在の時価総額では約688億ドルです。
ウォール街の見方は?
TipRanksによれば、アルファベット株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が28人、「中立」が7人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の204.58ドルは、今後12カ月で30%の上値余地を示唆しています。
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本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、BlackRock Loads Up on AMD and Alphabet Sharesの原文翻訳を中心にまとめています。
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