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バフェット氏の最新銘柄、アルタ・ビューティーへの投資が今からでも遅くない理由

ストーリーハイライト

美容・化粧品小売企業のアルタ・ビューティー(ULTA)の株主にとって、ここ数カ月は株価低迷で厳しい状況でした。しかし、著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)が同社への投資を公表したことで、株価は大幅に上昇しました。それでも、この業界トップクラスの小売企業への投資はまだ遅くないと思われる理由を以下にご紹介します。

バークシャー・ハサウェイがアルタ・ビューティーへの投資を公表したことを受け、同社の株価は11%急騰しました。乗り遅れたと感じている方も、心配はないでしょう。バフェット氏の最新銘柄への投資はまだ間に合います。バークシャーの2億6,600万ドルの投資は、バークシャーの公開株式ポートフォリオのわずか0.1%という小規模な賭けですが、バフェット氏(または彼が信頼する運用担当者)がこの企業に価値を見出していることを示しています。

バフェット氏の推奨というだけでなく、その低バリュエーション、堅調な売上高成長の実績、小売企業としては非常に高い利益率を理由に、アルタは魅力的です。ウォール街のアナリストは、アルタには大きな上昇余地があると見ています。

アルタ・ビューティーとは?

1990年に設立されたアルタ・ビューティーは、化粧品、美容、スキンケア製品などを販売する小売業者で、店舗ではサロンサービスも提供しています。実店舗とオンラインの両方で展開するオムニチャネル小売業者です。現在、米国には1,421店舗があり、2025年にはメキシコへの進出を計画しています。

「美しい」バリュエーション

バークシャーの買いによる株価上昇を考慮しても、アルタの株価は依然としてかなり割安なので、今からでも遅くはないでしょう。アルタは今年度1株当たり25.68ドルの利益を上げると予想されており、現在の株価はコンセンサス予想利益の14.7倍に過ぎません。

これは、S&P 500指数(SPX)がPER(株価収益率)24.2倍で取引されていることを考えると、市場全体よりも大幅に割安であり、バリュー投資家であるバフェット氏がこの銘柄に魅力を感じた理由も容易に理解できます。

さらに、2026年度まで見ると、アルタの株価はさらに割安で、1株当たり28.19ドルの利益を予想するコンセンサス予想PERは13.4倍にとどまっています。

表面(スキン)どころではないアルタの価値

今年初めに発表した四半期決算がアナリスト予想を下回り、またガイダンスを下方修正したため、株価は大幅に下落しました。同社は、百貨店チェーンのコールズ(KSS)への出店を急速に増やしている同業のセフォラとの競争が激化しているほか、注目度の高い美容・化粧品ブランドとの提携を拡大しているオンライン小売大手のアマゾン(AMZN)とも競合しています。

しかし、株価急落は行き過ぎの感があります。ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、バークシャーによる購入が公表される前に、株価は3月以降約42%下落していました。 バークシャー購入後の上昇を経ても、株価は年初来で依然として23%下落しており、一方でS&P 500指数は年初来で16.5%上昇しています。 したがって、アルタ社は広範な市場に「追いつく」余地が十分にあります。

売上高成長率、営業利益率、ROIで優れた成績

そして、同社は多くのことを適切に行っています。過去5年間、同社の売上高は年平均成長率(CAGR)11%で成長しており、営業利益率はS&P 500指数の平均的な小売業者の約2倍となっています。

さらに、過去5年間の平均投資利益率(ROI)は26%で、優れた小売大手コストコ(COST)の18%を上回る好成績です。

また、アルタは配当株ではありませんが、株主還元は大きく、今年は10億ドル相当の自社株買いを計画しています。これは、同社の経営陣がバフェット氏と同様に、同社株が過小評価されているという見解に同意していることの表れでもあります。

最後に、アルタは強固なバランスシートを維持しており、負債に関する懸念はありません。

アナリストの見方は?

TipRanksによれば、アルタ・ビューティー株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が10人、「中立」が7人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は467.82ドルで、今後12カ月で24.1%の上値余地を示唆しています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Ulta Beauty Stock (NASDAQ:ULTA): Likely Not Too Late to Buy Buffett’s Latest Pick原文翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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