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米小型株投資に適切なETFとは?

ストーリーハイライト

アバンティス米国小型株バリューETF (Avantis U.S. Small Cap Equity ETF, AVUV)は、アクティブ運用とパッシブ運用の要素を組み合わせた米国籍のETF(上場投資信託)で、過去3年間にS&P 500指数を静かにアウトパフォームしてきました。

この夏、大型テック株が冷え込む中、投資家は小型株に新たな視線を注いでいます。ハイテク株の多いナスダック100(NDX)に投資するインベスコQQQトラスト(QQQ)は、ラッセル2000の小型株が持ちこたえる中、過去1カ月で12.2%下落しています。

アバンティス米国小型株バリューETFは、小型株に投資する優れた方法です。

インデックス投資とアクティブ運用を組み合わせて小型バリュー株に効果的に投資

米独立系資産運用会社アメリカン・センチュリー・インベストメンツの1投資部門のアバンティスが提供するこの運用資産残高129億ドルのETFは、インデックス投資とアクティブ運用の要素を組み合わせて、小型バリュー株に効果的に投資しています。ウォール街のアナリストも、このETFには今後かなりの上昇余地があると考えています。

AVUV ETFの戦略は?

アバンティスによると、AVUVは「米小型株企業に幅広く投資し、低バリュエーションで収益率の高い企業に焦点を当てることで、期待リターンを高めることを目指しています」。

同ETFは、インデックス投資の利点とアクティブ・ポートフォリオ管理の利点を組み合わせることを目指しています。アバンティスは、AVUVが「インデックス投資に関連する恩恵(分散投資、低回転、エクスポージャーの透明性)を追求する一方で、現在の価格情報を利用して投資判断を行うことにより付加価値を高める能力も追求している」と説明しています。

ラッセル2000には多くの不採算企業やゾンビ企業が含まれる

このアプローチは、小型株投資においては非常に賢明なものです。米国の小型株指数であるラッセル2000は、7月は月間10%上昇と好調でしたが、この指数に投資するだけでは落とし穴があります。ラッセル2000には、利益を上げていない多くの不採算企業や「ゾンビ企業」が含まれているからです。

小型株の世界には隠れた優良銘柄がたくさんあるものの、小型株の多くが時価総額で「小型」なのには理由があり、それらは単に優れた企業ではないということを覚えておくことが重要です。

AVUVは、(分散投資の恩恵を享受するために)多数の小型株に投資しつつも、バリューに焦点を当て、アクティブ運用によって長期的な負け組やゾンビ企業の多くを除外することで、インデックス投資の恩恵を享受しつつ、より競争力のある合理的な小型株ポートフォリオを構築します。

競争に打ち勝つ

パフォーマンスに関して言えば、AVUVは過去3年間、ベンチマークであるラッセル2000バリュー・インデックスを見事に上回っており、小型株ユニバースにアクティブ運用とストック・ピッキングの要素を取り入れることの価値を示しています。

7月末現在、AVUVの3年間の年率リターンは12.7%と、ラッセル2000バリュー・インデックスの4.6%という冴えないリターンを大きく上回っています。

さらに、AVUV はより広範なラッセル2000 インデックスをさらに上回っており、ラッセル2000 の過去 3 年間のリターンは、7 月の好調なパフォーマンスも含め、年率換算でわずか 1.9%(7月 31 日現在)に過ぎません。

S&P500も上回るパフォーマンス

AVUVが市場全体の大企業に対してどのような位置づけにあるか見てみましょう。考えるまでもなく、AVUVはS&P500指数(SPX)さえも上回っています。AVUVの3年間の年率換算リターンは12.7%で、7月31日現在で3年間の年率換算リターンが9.5%のバンガードS&P500 ETF (VOO) のようなS&P500 ETFを上回っています。

AVUVはまだ比較的新しいETFであるため、この3年間のアウトパフォームは非常に印象的ですが、より長い期間にわたって(S&P500指数と同様に)小型株インデックスをアウトパフォームし続けるかどうかはまだわかりません。ただ、今のところ、非常に有望です。

AVUVが、近年のS&P500の上昇の多くを牽引してきた大型テック銘柄を保有することなく、S&P500をアウトパフォームしていることも心強いです。AVUVのテクノロジー株へのウェイトはわずか5%ですが、S&P 500は最近のハイテク株売りの後でも30%以上のハイテク株ウェイトとなっています。

もちろん、こうした大型テックなどの長期勝ち組銘柄を保有することは悪いことではありませんが、こうした銘柄の多くは、今夏の売り越し後も高いバリュエーションを維持しています。つまり、AVUVの保有銘柄は、この1年半の間、これらの大型ハイテク株ほど上昇していないため、投資家により多くの下値保護と上昇を提供できる可能性があります。

分散されたポートフォリオ

AVUVは733銘柄を中立的に保有しており、上位10銘柄の保有比率はETF資産のわずか8.2%です。

以下でAVUVの上位10銘柄の概要をご覧いただけます。

ご覧の通り、どのETFの保有銘柄も0.9%以上のウェイトを占めておらず、非常に分散されたETFであり、集中リスクはほとんどありません。

AVUVの配当と経費率

さらにAVUVに投資する上で2つ要因に触れます。第一に、このETFに投資する主な理由ではありませんが、AVUVの配当利回りは現在年間1.7%です。この利回りは特筆すべきものではありませんが、S&P 500の平均配当利回りより高く、長期的に投資家のトータルリターンに貢献しています。

第二の要因は、経費率が0.25%と非常にリーズナブルな手数料です。つまり、このETFの投資家が毎年支払う手数料は、1万ドルの投資に対してわずか25ドルです。

アナリストによると、AVUV は「買い」か?

ウォール街に目を向けると、TipRanksによれば、AVUVのアナリスト・コンセンサス評価は「中程度の買い」です。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価に基づいており、「買い」372件、「中立」339件、「売り」23件です。AVUVの平均株価目標107.57ドルは、現在の水準から20.9%上昇する可能性を示唆しています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、AVUV ETF: The Right Approach to Investing in Small Cap Stocks原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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