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マクドナルド株、5ドルメニーで業績改善、株価回復見込む

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マクドナルド(MCD)は今年、消費者がファストフードの価格高騰にネガティブに反応したため、利益が圧迫されています。しかし、同社が手頃な価格で食事を提供する機会を活用すれば、同社の株価は今後上昇する可能性があります。

マクドナルドは米国で最も有名なファーストフードチェーンです。何世代にもわたって、親は子供を連れてマクドナルドに行きました。それは、親しみやすい食べ物があるというだけでなく、手頃な価格だったからです。

しかし、2024年に至っては、ファストフード価格の高騰が続き、世界は様変わりしています。正直なところ、消費者の懐は寂しくなりつつあり、マクドナルドのドライブスルーの窓口で、価格に驚く人もいます。また、マクドナルドはインフレにうんざりした消費者にアピールすることで、財務状況を改善できる可能性があります。

消費者は消費に関して選別的になっている、とマクドナルドCEOが指摘

マクドナルドのクリス・ケンプチンスキーCEOは最近、「消費者は消費に対してより選別的になっている」と指摘しました。もちろん、それはファーストフードチェーンにとって深刻な問題です。価格高騰の悪影響で、マクドナルドが忠実な顧客から支持を失いつつことを示唆しています。

7月29日に発表されたマクドナルドの2024年第2四半期決算は、同社が高インフレ時代に苦戦していることを示しています。驚くべきことに、マクドナルドの既存店売上高は、新型コロナウイルス流行開始以来初めて減少しました。

しかし、既存店売上高が減少したにもかかわらず、売上高の大幅な減少を回避することができました。結局、第2四半期の売上高は64億9000万ドルで、2023年第3四半期の売上高64億9800万ドルと比べるとほぼ横ばいでした。しかし、コンセンサス予想の66.3億ドルは下回りました。

さらに利益水準が良くありませんでした。第2四半期の純利益は前年同期比12%減の20億2200万ドル、調整後の1株当たり利益(EPS)は前年同期比11%減の2.80ドルで、コンセンサス予想の3.07ドルを下回りました。

それでもマクドナルドの株価は上昇、将来に希望を見込む

素晴らしい業績ではなかったことは認めざるを得ません。しかし、マクドナルドの株価は、決算発表後4%上昇しています。市場がマクドナルドの未来に希望を抱いているのでしょうか。

おそらく、楽観的な投資家は今四半期の業績改善を期待しているとみられます。マクドナルドが米国で5ドルのバリューメニューを導入したのは6月25日であり、その効果は第3四半期(7-9月期)にフルに効いてくるはずです。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙の報道によると、米国マクドナルドのジョー・アーリンガー社長は、「5ドルメニュー発売後、一部の店舗で急速に売り上げが伸びました」と述べたとのことです。さらに、ブルームバーグは、マクドナルドは米国内のほとんどの店舗で5ドルのバリューメニューを提供し続けるだろうと報じています。

アナリストによると、マクドナルド株は「買い」か?

TipRanksによれば、マクドナルド株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が19人、「中立」が8人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は302.13ドルで、今後12カ月で15%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、McDonald’s Stock (NYSE:MCD): Just Take a Small Bite原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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