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魅力的なヘルスケア・セクターETF、割安で高配当利回りの銘柄群

ストーリーハイライト

ヘルスケア・セレクト・セクターSPDRファンド (Health Care Select Sector SDPR Fund, XLV) は、ヘルスケア・セクターに特化した米国籍のETF(上場投資信託)で、割安で高配当利回りの有名なヘルスケア銘柄が多く含まれています。

テクノロジー・セクターの株価が過去1年以上にわたって大幅な上昇を記録している市場を背景に、市場が反転し、大手テック株以外に物色が拡大した場合、ヘルスケアのようなセクターは、投資家にとって利益の一部を配分する魅力的な場所とみられます。

XLV ETFの戦略とは?

XLV ETFは、S&P500指数(SPX)のヘルスケア・セクターをカバーするヘルスケア・セレクト・セクター指数に連動する投資成果を目指します。これは、「医薬品、ヘルスケア機器・用品、ヘルスケア・プロバイダー・サービス、バイオテクノロジー、ライフサイエンス・ツール・サービス、ヘルスケア・テクノロジー産業」の幅広い銘柄を含みます。

このファンドの歴史は1998年までさかのぼり、現在の運用資産残高は400億ドルです。

ヘルスケア銘柄、ディフェンシブで景気循環に左右されない傾向

ヘルスケア・セクターが選好されるのは、ディフェンシブで景気循環に左右されない銘柄が多いからです。ヘルスケア銘柄は安定した売上高および利益を特徴とし、他のセクターの銘柄に比べると、経済全体の状況にあまり縛られません。景気が良くても悪くても、人々は同じように薬や治療、医療処置を必要とします。

もし投資家がテクノロジー株などの高いバリュエーションのセクターの銘柄から移るのであれば、ヘルスケア株が提供する低いバリュエーションと高配当利回りは、こうした投資家にとって、確定した利益の一部を活用できる魅力的なセクターとなる可能性があります。

ハイテク株比率の高いナスダック100指数(NDX)は先週4%下落している一方、伝統的なオールドエコノミー株比率の高いダウ工業株30種平均(DJIA)は0.7%上昇しており、セクター移動がすでに見え始めているかもしれません。

バリュー投資家のパラダイス

XLVは64銘柄に投資し、上位10銘柄でファンドの56.8%を占めています。以下、TipRanksの保有銘柄ツールを使って、XLVの上位10銘柄の概要をチェックできます。

XLVの保有銘柄には、まさに掘り出し物のように見える銘柄がたくさんあるます。ETFの13%を占めるイーライリリーは、(大ヒット減量薬マンジャロの大成功に基づき)2024年予想利益の68.6倍という破格のバリュエーションで取引されていますが、XLVの他のポートフォリオの多くは、明らかにバリュー志向の色彩を帯びています。

非常に割安なファイザー、アッヴィ、ジョンソン・エンド・ジョンソン

例えば、同じトップ10銘柄のファイザーは非常に割安で、2024年予想利益のわずか12.4倍で取引されています。ファイザーはまた、5.7%という高配当利回りを投資家に提供しています。

その他の上位10銘柄である、アッヴィやジョンソン・エンド・ジョンソンは、それぞれ2024年予想利益のわずか15.4倍、14.7倍と非常にリーズナブルなバリュエーションで取引されています。また、配当利回りもそれぞれ3.6%、3.2%と魅力的です。

上位10銘柄以外で2025年予想まで見てみると、さらに掘り出し物があります。ギリアド・サイエンシズとブリストル・マイヤーズは、それぞれ2025年予想利益の10.0倍と6.0倍という極めて割安な水準で取引されています。前述の同業他社と同様、ギリアドとブリストル・マイヤーズもそれぞれ魅力的な配当銘柄であり、ギリアドの配当利回りは4.2%、ブリストル・マイヤーズは5.7%です。

上位銘柄のスマートスコアも良好

このような魅力的なバリュエーションと利回りに加え、XLVの上位銘柄はスマートスコアも優れています。スマートスコアは、TipRanksが独自に開発した定量的な株式スコアリング・システムです。スマートスコアは、8つの市場主要要因に基づき、銘柄を1から10までのスコアで評価するものです。8以上は「アウトパフォーム」評価に相当します。

XLVの上位10銘柄のうち7銘柄がアウトパフォーム相当のスマートスコア8以上を獲得しており、上位3銘柄のジョンソン・エンド・ジョンソン、ユナイテッドヘルス・グループ、アムジェンはスマートスコア「パーフェクト10」を誇っています。「パーフェクト10」銘柄は、歴史的にS&P500指数を大きくアウトパフォームする傾向があります。

なお、XLVのETFスマートスコアは、「アウトパフォーム」相当の8です。

費用対効果の高い選択

XLVのもう一つの良い点は、同じセクターのSPDR ETFと同様、経費率が0.09%と非常に低いことです。この経費率は、1万ドルをETFに投資した投資家が、年間を通じて支払う手数料がわずか9ドルであることを意味します。

XLVのような低コストのETFに投資することで節約できる費用は、長期的に積み重なる可能性があります。このETFが現在の経費率を維持し、今後10年間で毎年5%のリターンを上げると仮定すると、1万ドルをこのETFに投資した投資家は、10年間でわずか115ドルの手数料を支払うことになります。

アナリストによれば、XLVは「買い」か?

ウォール街に目を向けると、TipRanksによれば、XLVのコンセンサス評価は「強気買い」です。これはポートフォリオで保有する各銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価に基づいており、「買い」52件、「中立」12件、「売り」1件です。XLVの平均目標価格の169.42ドルは、今後12カ月で14.6%の上値余地を示唆しています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、XLV ETF: Healthcare Sector Offers Plenty of Bargains原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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