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エヌビディアなどの主要半導体株を保有できるETFの魅力

ストーリーハイライト

ヴァンエック半導体ETFは、エヌビディアをはじめ、ブロードコム、台湾積体電路製造(TSMC)、クアルコムなどの主要半導体銘柄に投資できる魅力的なETF(上場投資信託)です。

最近、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)から目が離せない状況ですが、他にも優れた半導体銘柄が存在することを忘れるべきではありません。「ヴァンエック半導体ETF (VanEck Semiconductor ETF , NASDAQ:SMH)」は、エヌビディアに加え、他の魅力的な銘柄への投資機会を提供します。

好調なパフォーマンスと長期的な成長可能性を秘めた半導体銘柄で構成される強力なポートフォリオ、そして投資家に安定したリターンをもたらしてきた実績に基づき、SMHに対してアナリストは強気です。

SMH ETFの戦略とは?

SMHは最大の半導体銘柄特化型ETFです。運用会社のヴァンエックによると、SMHは「MVIS US Listed Semiconductor 25 Index (MVSMHTR)」に連動する投資成果を目指します。

ヴァンエックは、これらの銘柄の流動性が高く、業界をリードするグローバル規模の企業であることを強調しています。

魅力的な半導体銘柄のポートフォリオ

SMHは26銘柄を保有しており、上位10銘柄がETFの76.2%を占めています。以下では、TipRanksの保有銘柄ツールを使って、SMHの上位10銘柄の概要をご覧いただけます。

このETFは特に分散投資されているわけではありませんが、投資家はエヌビディア(24.6%という大きなウェイトを占めています)や、台湾積体電路製造(TSMC、NYSE:TSM)、ブロードコム(NASDAQ:AVGO)、クアルコム(NASDAQ:QCOM)などを含む他の主要半導体銘柄に大きく投資することができます。

ブロードコム、株価上昇と大きな連続増配の実績

エヌビディアの過去 1 年間の上昇率が 209.6% でなかったら、ブロードコムの 111.8% の上昇についてもっと話題になっていたかもしれません。しかし、この半導体およびソフトウェア・インフラの巨人は今、世界トップ 10 企業の一角を占める勢いで、それ自体注目に値します。ブロードコムは、過去10年間で3,168%という驚異的なトータルリターンを生成した長期的な勝者です。

また、ブロードコムは13年連続で増配し、過去5年間では年平均成長率(CAGR)17.5%という驚異的な成長を遂げている、過小評価されている配当成長株でもあります。さらに、エヌビディアと同様、ブロードコムも株式分割を控えています。

ブロードコムに加え、TSMCもまた、SMH の上位保有銘柄の中でも魅力的な半導体銘柄の 1 つです。

TSMC、過去1年間で75.2%上昇し、史上最高値更新

TSMCは、世界最大かつ最先端のチップメーカーです。前述のエヌビディア、ブロードコム、クアルコムなどの大手半導体企業は、設計・開発した最先端チップの製造をTSMCに依頼しています。時価総額7,861億ドルのTSMCの株価は、過去1年間で75.2%上昇し、史上最高値を更新しました。

次に、過去1年間で93.8%上昇したクアルコムは、スマートフォンから自動車、IoT(モノのインターネット)機器まで、あらゆる分野の最先端半導体を開発していることで知られています。

さらに、ASML(NASDAQ:ASML)とラムリサーチ(NASDAQ:LRCX)は、半導体製造工程で使用されるハイテクツールや機器を提供する世界でも数少ない企業であり、広範な「堀(競争優位性)」を持ち、半導体のバリューチェーンの重要な部分を担っています。

上位保有銘柄、TipRanksスマートスコアで高評価

ブロードコム、TSMC、クアルコムの3社に共通しているのは、スマートスコアが「パーフェクト10」であることです。スマートスコアは、TipRanksが独自に開発した定量的株式スコアリング・システムです。8つの市場主要要因に基づき、銘柄を1から10までのスコアで評価します。8以上が「アウトパフォーム」評価となります。SMHの上位10銘柄のうち7銘柄が、アウトパフォーム相当のスマートスコア8以上を獲得しています。

さらに、SMHはETFスマートスコアで8を獲得しており、アウトパフォーム評価となっています。

驚異的な長期パフォーマンス

SMHは、高く評価されている半導体銘柄を数多く保有しており、長期にわたって優れたリターンを生み出しています。

5月31日現在、SMHの3年年率リターンは25.5%です。この素晴らしいリターンは、市場全体のリターンを容易に凌駕しています。バンガードS&P 500 (NYSEARCA:VOO)の同期間の年率リターンは9.6%です。テックに特化したテクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド(NYSEARCA:XLK)の同期間の年率リターン15.9%をも上回っています。

5年という長い期間では、SMHは38.6%という驚異的な年率リターンを生成しています。これもまた、VOO(15.8%)とXLK(25.2%)を圧倒しています。

10年前に遡っても、SMHは年率27.8%という素晴らしいリターンを上げており、ここでも市場全体(VOOで12.7%)とテック株に特化したXLK(20.3%)の両方を上回っています。

SMHの経費率は?

SMHの経費率は0.35%で、1万ドルの投資に対して年間35ドルを支払うことになります。多くの市場インデックスファンドがより低い手数料を課しているため、これは最低の手数料ではありません。しかし、これは類似ETFと同様であり、セクター特化型ETF、特にSMHのように好調なパフォーマンスを上げているETFとしては十分合理的です。

アナリストによると、SMH は「買い」か?

ウォール街に目を向けると、TipRanksによれば、SMHのコンセンサス評価は「強気買い」です。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価に基づいており、「買い」21件、「中立」5件、「売り」0件です。SMHの平均目標価格285.18ドルは、今後12カ月で7.5%の上値余地を示唆しています。

結論

SMHはエヌビディアや、ブロードコム、TSMCなどの主要半導体株への実質的なエクスポージャーを投資家に提供します。加えて、過去3年、5年、10年の驚異的なリターンにより、SMHへの確信が揺るぎないものとなっています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、SMH ETF: Exposure to Nvidia and Other Top Chip Stocks原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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