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「強気買い」金融株3銘柄で最も上値余地が大きいのは?

ストーリーハイライト

ナスダック100指数(NDX)が年初来で20%以上上昇しており、このテック主導のラリーがかなり長く続いていると考えているのでれば、金融など他の主要セクターを軽視すべきではないでしょう。

金融セクター動向を代表する金融セレクト・セクターSPDRファンド(NYSEARCA:XLF)は、年初来で9.3%上昇とテックラリーには劣りますが、それでも非常に立派です。したがって、引き続き成長が見込める金融株は、チェックする価値があるでしょう。

それでは、TipRanksの比較ツールを使い、アナリストが注目している「強気買い」金融株を見てみましょう。

バークシャー・ハサウェイ (Berkshire Hathaway, NYSE:BRK.B)

バークシャー・ハサウェイは、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が経営する伝説的コングロマリットです。93歳のバフェット氏は、バークシャーの将来において極めて重要な役割を果たし続けています。もう何年も前から後継者計画は立てられていますが、バフェット氏はできる限り長く仕事を続ける意向のようです。バークシャーの株価は今年の大半を405~410ドルのレンジで推移しており、次の大きな動きがどの方向に向かうのか、注目されます。

テック株により市場全体が高騰しているとはいえ、バークシャーの株価は非常にリーズナブルと考えられます(株価純資産倍率は1.54倍で、5年平均の1.4倍とほぼ同じです)。

アップル株売却に注目集まる

バークシャーの最近の動きの中で最も注目すべきは、アップル(NASDAQ:AAPL)株を13%削減したことです。バークシャーがアップル株を売却したのは今回が初めてではありませんが、アップル株が史上最高値まであとわずかというところでの売却となりました。現時点では、アップルはAIブームに乗っています。バークシャーは投資額を減らしたとはいえ、アップルが同社の主要保有銘柄であることに変わりはありません。

アップル以外では、バークシャーは中国のEVメーカーBYD(OTCMKTS:BYDDY)の株式を約130万株減らしました。買いの側では、オクシデンタル・ペトロリアム(NYSE:OXY)に追加投資しており、その保有株の時価総額は150億ドル以上に膨らんでいると言われています。

バークシャーは明らかに、オクシデンタル・ペトロリアムのような人気薄の銘柄を買う一方で、勝ち組の銘柄で利益を得ることをよしとしています。最近の動きは、バークシャーの株式投資戦略を端的に表しています。つまり、価値ある銘柄を買い、市場がその価値に気づくまで保有するのです。

バークシャー・ハサウェイ株の目標株価は?

TipRanksによれば、バークシャー・ハサウェイ株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、3人全員が「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の470.67ドルは、今後12カ月で15%の上値余地を示唆しています。

マスターカード (Mastercard, NYSE:MA)

クレジットカード会社のマスターカードは、市場で最も革新的でテクノロジーに精通した金融企業の一つです。同社株がヘッジファンドの間で人気なのには理由があります。3月下旬のピークから株価が8%近く下落しており、割安で株を手に入れるチャンスかもしれません。

マスターカードやその他のクレジットカード会社は、AIを活用して不正取引に対抗しています。同社は5月、AIを活用した新しい不正防止ソフトウェアが、詐欺を働こうとした人がカードをスワイプする前に「不正使用された」カードを検出できると発表しました。これは、カードユーザーにさらなる安心感を与えるものです。

株価収益率(PER)35.8倍というマスターカード株は、過去1年間のヒストリカル・レンジの中では割安な部類に入ります。

マスターカード株の目標株価は?

TipRanksによれば、マスターカード株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が23人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の525.25ドルは、今後12カ月で16.1%の上値余地を示唆しています。

ヌー・ホールディングス (Nu Holdings, NYSE:NU)

ヌー・ホールディングスはブラジルを拠点とするフィンテック企業で、バークシャーは過去にこの企業を株を購入しています。過去2年間で、株価は202%以上上昇しています。

同社はラテンアメリカで1億人以上の顧客を誇り、デジタル・バンキング企業として大きな勢いがあります。同社は、急成長を遂げつつある新興国における羨望のポジションを最大限に活用しており、この勢いがすぐに衰えることはないでしょう。

デビッド・ヴェレスCEOは、「真のイノベーションで人々のニーズを解決する」ことを楽しみにしています。ヌーは、幅広い金融サービス(銀行業務、投資、借入)への迅速かつ容易なアクセスを提供しているため、成長がすぐに止まるとは考えにくいです。

ヌー・ホールディングス株の目標株価は?

TipRanksによれば、ヌー・ホールディングス株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が4人、「中立」が1人でコンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の13.66ドルは、今後12カ月で13.1%の上値余地を示唆しています。

結論

金融セクターには素晴らしい成長株があり、その多くは素晴らしいテクノロジーを活用しています。アナリストは、マスターカードの株価が今後最も上昇する可能性があると見ています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、BRK.B, MA, NU: Which “Strong Buy” Financial Stock Is the Better Buy?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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