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ストーリーハイライト
成長株ETFへの投資は、適切なリスク・リターン許容度を持つ投資家にとって、長期的にポートフォリオのリターンを高める良い方法です。ここでは、3つの成長株ETFを比較し、上昇の可能性に基づいてどのETFが最も魅力的かをご紹介します。
成長株は、高金利やインフレが続いているような経済の不確実性の高い局面では、パフォーマンスが低下する傾向があります。そのような時には、より安全な投資オプションとして、成長株に直接投資するのではなく、分散投資となる成長株ETFに投資する方が良いでしょう。
長期的な成長機会が大きい成長株
短期的なノイズはあるものの、成長株は長期的な成長機会が高く、市場が回復すれば株価の上昇も期待できるため、ポートフォリオを強化する最良の方法の一つです。
TipRanksのETF比較ツールを使って、3つの成長株ETFを比較しました。バンガード小型株グロースETF(VBK)、iシェアーズ・ラッセル中型株グロースETF(IWP)、アメリカン・センチュリーSTOXX米国クオリティ・グロースETF(QGRO)です。
バンガード小型株グロースETF (Vanguard Small-Cap Growth ETF, VBK)
バンガード小型株グロースETFは、米国の小型株(時価総額が3億ドルから20億ドル)企業600社以上で構成されるインデックスであるCRSP USスモールキャップ・グロース・インデックスに連動する投資成果を目指します。VBKは1口当たり0.40ドルの普通配当を四半期ごとに支払い、配当利回りは0.68%です。
VBK ETFは、様々な業種の小型株で構成される広範な分散ポートフォリオを有しており、経費率は0.07%と非常に低くなっています。エクスポージャーの上位3セクターは、テクノロジー(26.1%)、資本財(18.8%)、ヘルスケア(16.57%)です。
現在、VBKの保有銘柄数は622、運用資産は170億ドルで、上位10銘柄でポートフォリオ全体の9.87%を占めています。上位3銘柄はタルガ・リソーシーズ (TRGP)、アクソン(AXON)、デッカーズ・アウトドア (DECK)です。
VBKは「買い」か?
TipRanksによれば、VBKのアナリスト・コンセンサス評価は「中程度の買い」です。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価である、458件の「買い」、149件の「中立」、15件の「売り」に基づきます。VBKの平均目標価格の303.56ドルは、今後12カ月で20.3%の上値余地を示唆しています。年初来では、VBKは3.2%上昇しています。
iシェアーズ・ラッセル中型株グロースETFは、成長特性を示す米国の中型株(20億ドルから100億ドル)で構成されるラッセル・ミッドキャップ・グロース・インデックスに連動する投資成果を目指します。これらの企業の利益は、市場平均を上回る成長率が期待されています。IWPはまた、1口当たり0.10ドルの定期四半期配当を支払っており、利回りは0.48%です。
IWPの経費率は0.23%で、VBKより若干高くなっています。一方、このETFの上位3セクターは、VBKと同様にテクノロジー(27.2%)、資本財(18.44%)、ヘルスケア(17.17%)です。
IWPの保有銘柄数は332で、そのうち上位10社がポートフォリオ全体の18.44%を占めています。現時点でのIWPの運用資産は140億ドルです。ETFの上位3銘柄は、クラウドストライク (CRWD)、アポロ・グローバル (APO)、シンタス (CTAS) です。
ウォール街の見方は?
TipRanksによれば、ポートフォリオで保有する各銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価である256件の「買い」、67件の「中立」、9件の「売り」に基づき、IWPは「中程度の買い」のコンセンサス評価を得ています。IWPの平均目標価格124.45ドルは、今後12カ月で12.4%の上値余地を示唆しています。IWPは年初来で6.2%上昇しています。
アメリカン・センチュリーSTOXX米国クオリティ・グロースETF(American Century STOXX U.S. Quality Growth ETF, QGRO)
アメリカン・センチュリーSTOXX米国クオリティ・グロースETFは、魅力的なクオリティ、成長性、バリュエーションのファンダメンタルズを示す米国の大型株および中型株のパフォーマンスを追求します。American Century U.S. Quality Growth Indexに連動する投資成果を目指します。QGROの配当利回りは0.32%で、四半期配当はこの記事で取り上げた3つのETFの中で最も低い0.06ドルです。
QGRO ETF は、値動きだけで選ぶのではなく、リスク調整リターン戦略を採用することで、高成長企業と安定成長企業のバランスを取ろうとしています。経費率は0.29%と3つの中で最も高いです。現在、セクター・エクスポージャーの上位は、テクノロジー(37.3%)、消費循環産業(17.83%)、資本財(15.66%)です。
現在、QGRO は 183 銘柄を保有しており、上位 10 銘柄でポートフォリオ総資産(8 億 5,210 万ドル)の 24.52%を占めています。ETFの上位3銘柄は、アルファベットA (GOOGL)、ブッキング・ホールディングス (BKNG)、サービスナウ (NOW)です。
QGROは「買い」か?
TipRanksによれば、ポートフォリオ保有銘柄の146件の「買い」、37件の「中立」の評価に基づき、QGROは「中程度の買い」のコンセンサス評価を受けています。QGROの平均目標価格93.59ドルは、今後12カ月で9.6%の上値余地を示唆しています。QGROは年初来で12.4%上昇しています。
結論
アナリストは、バンガード小型株グロースETFの上昇ポテンシャルが、他の2つの成長株ETFよりも最も高いと予想しています。興味深いことに、このバンガードの ETF は、景気拡大期において、中型株や大型株に比べ高い成長性を示す小型株に主に焦点を当てています。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、VBK, IWP, or QGRO: Which Growth Stocks ETF Has the Best Appeal?原文の翻訳を中心にまとめています。
米国株