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アナリストによる、今買うべきエネルギー株ベスト3(2024年5月)

ストーリーハイライト

エネルギーセクターへのエクスポージャーを求める投資家は、ポートフォリオの分散・強化に最適なエネルギー株3銘柄を検討できるでしょう。

ウォール街のアナリストによれば、コノコフィリップス、シェブロン、ダイヤモンドバック・エナジーが2024年5月に買うべきエネルギー株ベスト3です。TipRanksのBest Energy Stocksツールを使って、アナリストに評価されていて、妥当な株価上昇が期待できる3つの石油株を特定しました。

エネルギーセクターには、探鉱会社、掘削会社、精製会社、油田サービス・設備プロバイダーなど、さまざまなサブセグメントがあります。今回取り上げる3社は、探鉱・掘削サブセグメントに属しています。これら銘柄のアナリスト・コンセンサス評価は「強気買い」で、今後1年間に15%以上の上値余地を示唆しています。さらに、エネルギー企業は通常、株主に対して魅力的な配当を支払っており、その結果、株主リターンが向上します。

1位 コノコフィリップス (ConocoPhillips, NYSE:COP)

コノコフィリップスは、世界最大級の米国の独立系探鉱・生産企業です。13カ国に石油と天然ガスの生産施設を有しています。同社に関して重要なことは、米同業のマラソン・オイル (NYSE:MRO) を225億ドルで買収する意向を最近発表したことです。この買収には54億ドルの純負債が含まれます。

一方、同社は6月3日に1株当たり0.78ドルの四半期配当を支払う予定で、配当利回りは3.01%です。配当は1株当たり0.58ドルの基本配当と1株当たり0.20ドルの変動キャッシュリターン(VROC)の2つで構成されています。

基本配当を引き上げ、自社株買いも継続

注目すべきことに、2024年第4四半期から基本配当を34%増の1株当たり0.78ドルに引き上げる予定です。さらに、株主に報いるために自社株買いを続けています。2024年第1四半期には、13億ドル相当の株式を買い戻しました。マラソン・オイルの買収計画を受けて、コノコフィリップスは買収完了後1年間で70億ドル相当の自社株買いを目指しています。

第1四半期の調整後1株当たり利益(EPS)は2.03ドルで、アナリストのコンセンサス予想を1セント下回りました。また、売上高は137.9億ドルで、コンセンサスの149.6億ドルを下回りました。第1四半期の生産量は1.902MBOED(石油換算100万バレル/日量)で、前年同期比0.110MBOED増でした。第2四半期の生産量は1.91~1.95MBOEDと予想されています。

コノコフィリップス株は「買い」か?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が13人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の146.71ドルは、今後12カ月で29.2%の上値余地を示唆しています。過去1年間で株価は14.4%上昇しています。

2位 シェブロン(Chevron Corp., NYSE:CVX)

シェブロンは世界最大級の総合エネルギー企業です。原油と天然ガスを生産し、輸送用燃料、潤滑油、石油化学製品、添加剤を製造し、ビジネスと産業を強化する技術を開発しています。

シェブロンは530億ドルの巨額取引で石油大手ヘス(NYSE:HES)を買収する予定です。この取引は規制当局の承認待ちです。ヘスはガイアナに収益性が高い油田権益を有しています。

業界平均を上回る配当利回り、そして自社株買いを実施

注目すべきは、シェブロンの取締役会が四半期配当を8%引き上げ、1株当たり1.63ドルとしたことです。これにより配当利回りは3.87%となり、業界平均を上回っています。さらに、同社は2024年第1四半期に約30億ドル相当の自社株買いを実施しました。

第1四半期決算では、売上高はコンセンサス予想を上回りましたが、調整後EPSは予想をわずかに下回りました。なお、第1四半期の生産量は前年同期比12.4%増の3.346MBOEDとなり、大幅に伸びました

シェブロン株の目標株価は?

TipRanksによれば、シェブロン株の平均目標株価は187.20ドルで、今後12カ月で18.3%の上値余地を示唆しています。過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が12人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。過去1年間で株価は5%以上上昇しました。

3位 ダイヤモンドバック・エナジー (Diamondback Energy, NASDAQ:FANG)

ダイヤモンドバック・エナジーは米国の独立系石油・天然ガス会社です。エネルギー資源が豊かなテキサス州西部パーミアン盆地において非在来型の陸上石油・天然ガス埋蔵量の取得、開発、探査、採掘に従事しています。

ダイヤモンドバック・エナジーはまた、エンデバー・エナジー・リソーシズ(Endeavor Energy Resources, L.P.)を260億ドルの現金および株式取引で合併する予定です。この合併により、パーミアン盆地で最大の独立系生産企業が誕生することになります。

現在の配当利回りは4.11%と魅力的

ダイヤモンドバックの取締役会は2024年第1四半期に1株当たり0.90ドルの基本配当と1.07ドルの変動現金配当を承認しました。現在1株当たり1.97ドルの配当は配当利回り4.11%に相当し、魅力的です。

さらに、同社は第1四半期に4,200万ドル相当の自社株買いを実施しており、現在の自社株買いプログラムの残高は約16億ドルです。

第1四半期の調整後EPSは4.50ドルで、コンセンサス予想の4.47ドルを上回りました。また、売上高は22.3億ドルで前年同期比15.5%増となり、コンセンサスの21.0億ドルを大幅に上回りました。

ダイヤモンドバック・エナジー株は「買い」か?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が13人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の229.77ドルは、今後12カ月で16.4%の上値余地を示唆しています。過去1年間で株価は55.2%上昇しています。

終わりに

エネルギーセクターは大きな再編の波にさらされています。より環境に優しい代替エネルギーへの需要が伸び続ける一方で、石油と天然ガスの必要性は留まるところを知りません。既存のエネルギー企業もクリーンエネルギー・ソリューションにより重点を置くようになり、世界の脱炭素化目標において重要な役割を果たすことが期待されています。上記3つのエネルギー関連銘柄は、十分な調査の上、投資対象として検討できるでしょう。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Best Energy Stocks to Buy in May 2024, as per Analysts原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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