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著名アナリスト、テスラ決算について「希望の光に注目すべき」と強調

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EVメーカー、テスラ(NASDAQ:TSLA)の2024年第1四半期決算を、ポジティブに解釈することは一見困難なように見えますが、水曜の市場はまさにそれをやっているように見受けられました。

テスラは火曜の取引時間後に第1四半期決算を発表し、すぐに時間外取引でテスラ株は急上昇しました。そして水曜日の取引で12%高と急騰しました。

決算自体は惨憺たる内容

四半期売上高は2020年以来初めて減少し、前年同期の233.3億ドルから213.1億ドルへと前年同期比8.5%減となり、予想を9.5億ドル下回りました。EPS(1株当たり利益)は、過去10四半期で最低となる0.45ドルで、市場予想を5セント下回りました。

その他の重要な指標も、明るいものではありませんでした。営業利益率は前期の8.2%に対し5.5%と低下し、営業利益は11億7,000万ドルと、ウォール街予想の16億4,000万ドルを下回りました。

マスク氏による低価格モデル投入発言に投資家は安堵

それでは、この急騰はいったい何だったのでしょうか?基本的には、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、低価格モデルの見通しについて投資家を安心させるような発言をしたためです。

ウェドブッシュの著名アナリスト、ダニエル・アイブス氏が指摘していたように、巷ではテスラが低価格モデルの計画を断念し、すぐにロボットタクシーに注力するのではないかと懸念されていましたが、マスク氏は、2025年の初めか、場合によっては2024年の終わりに、新しい「より手頃な」モデルを導入する計画があると述べました。これらには自律走行技術の要素が組み込まれ、現在の生産ラインを使って製造される予定です。

マスク氏は、新モデルが単に既存モデルのアップデート版になるのかどうかについては明言を避けたが、アイブス氏は提供された情報に満足しているようです。

「マスク氏、ようやく大人の対応を見せる」とアイブス氏

「昨夜の待望の決算電話会議で、イーロン・マスク氏はようやく大人の対応を見せ、テスラの成長戦略の基礎を築きました。最も重要なのは、2025年の生産と出荷を目指した低価格車が発表されたことです」とアイブス氏は説明しました。「(テスラに対する)弱気派は2024年に勝利を収め、正しかったと言えるでしょう(中略)しかし、テスラの成長ストーリーと自律走行ビジョンの次の波が形成されつつあると当社は確信しています。これこそが、強気な投資ケースに注目している理由です」

アイブス氏は、テスラのストーリーが「一夜にして好転する」とは予想していませんが、目標株価を300ドルから275ドルに引き下げたものの、テスラ株を「アウトパフォーム(=買い)」と評価しています。引き下げられた目標株価でも、今後12カ月で最大70%の上値余地を示唆しています。

ウォール街の見方は?

しかし、ウォール街では、ほとんどの人がそこまで強気にはなっていません。TipRanksによれば、テスラ株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が8人、「中立」が19人、「売り」が8人で、コンセンサス評価は「中立」です。平均目標株価の177.30ドルは、今後12カ月で9%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、‘Focus on the Silverline,’ Says Daniel Ives About Tesla Stock原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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