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JPモルガンが選ぶ、今買うべき優れたAI関連株

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生成AI(人工知能)導入により進化するテクノロジー環境で勝つための「秘訣」は、最高のAI銘柄を見極めることです。新技術を活用する企業はたくさんありますが、そのすべてが同じように成り立っているわけではありません。賢明な投資家は、AIにおける強固な基盤、あるいはいかなる変化にも正面から対応できる柔軟性を通じて、新しい状況に適応するのに最適な銘柄を見つけるのでしょう。

JPモルガンの株式アナリストは、このことをよく認識しています。そして、各銘柄の特徴やAIがどのように組み入れられるかを詳細に調査しています。JPモルガンのトップアナリストは、レディット(Reddit, NYSE:RDDT) とアステラ・ラブズ(Astera Labs, NASDAQ:ALAB) を詳しく調査し、どちらがAI関連銘柄として優れているかを判断しています。詳しく見てみましょう。

レディット

まずは、何でもありのディスカッションやグループルームを主催するオンラインコミュニティサイト、レディットです。同社は「コミュニティのコミュニティ」であり、「人々が自分の興味、趣味、情熱を中心に構築された経験を通して、何にでも飛び込むことができる」オンライン上の場所です。

そのため、さまざまな情報の宝庫であり、オンライン上で利用可能であり、検索エンジンのブラウジングの対象であり、コミュニティ・メンバーが議論し、より広いオンライン世界が閲覧できます。

レディットは3月21日に株式公開を果たし、株価は34ドルで始まり、初日の終値は50ドル以上と48%も上昇しました。IPOから1週間後、レディットは約7億5000万ドルを調達し、株価がピークから37%下落した現在でも、時価総額は66億8,000万ドルに達しています。

コンテンツデータベースのAI言語モデル学習利用でアルファベットと契約

先日、レディットがアルファベットと、レディットのコンテンツデータベースをグーグルのAI言語モデルの学習に利用できるようにするため、年間最大6,000万ドル相当の契約を結んだというニュースの後、レディットの株価が上昇しました。これは大きな取引であり、人間の議論をよりよく理解する方法を新しいテクノロジーに教えるソースとして、レディットをAIの世界の中心に引き入れることになります。

アナリスト、短期的には評価しつつも、傍観姿勢を維持

JPモルガンの5つ星アナリストであるダグ・アンマス氏は最近、レディット株のカバレッジを開始しました。同氏は短期的には、レディットの最近のユーザー数増加とデジタルプラットフォームに内在する規模とその可能性を評価しています。

ただ、アンマス氏はレディットに飛びつく準備ができておらず、傍観しています。同氏は、DAUq(アクティブユーザー数の前四半期比成長率)の長期的拡大、競争が激しいオンライン広告分野でのより大きな牽引力などに注目しています。

アンマス氏は、レディット株に「中立(つまりホールド)」レーティングを付け、47ドルの目標株価は、今後12カ月で14%近い上値余地を示唆しています。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、全体として、レディット株は、「中程度の買い」のコンセンサス評価を得ています。49.20ドルの平均目標株価は、今後12カ月で最大20%の上値余地を示唆しています。

アステラ・ラブズ (ALAB)

JPモルガンのリストの次は、コネクティビティ・ハードウェアを製造するアステラ・ラブズです。AI中心の銘柄には聞こえないかもしれませんが、アステラのPCIe、CXL、イーサネット接続ソリューションの製品ラインはデータセンター市場向けにカスタマイズされており、AIの運用に必要な大量のデータを移動させることができます。

アステラは特殊なニッチ分野を担っており、将来的に大きな成長が見込まれています。AIは急成長している最先端分野であり、それは大容量のデータセンターに依存しています。そして、これらのデータセンターは、大容量のデータフローを接続し、ネットワーク化する能力がなければなりません。それこそが、アステラが提供するソリューションです。

3月に市場公開、AI関連株への強い投資家需要で上昇

前述のレディットと同様に、アステラの株式は3月に市場公開しました。株価は20日に取引が開始され、すぐ上昇しました。株価は当初36ドルで設定され、52.56ドルで取引を開始し、初日の取引で72%も急上昇しました。この好調なIPOは、AI関連株に対する投資家の需要に後押しされたものです。同社は、新規株式公開で7億1,300万ドルもの資金を調達しました。株価はピークから下落したとはいえ、当初の2倍近い価格で取引されています。

JPモルガンのもう一人のトップアナリスト、ハーラン・サー氏は、アステラのAIとの深いつながりと、AI対応コネクティビティ・ソリューションに対する顧客の需要に応えてきた実績から、アステラの成長可能性を高く評価しています。

アナリスト、アステラへのAIサーバー増強の大きな恩恵を予想

サー氏は次のように述べています。「生成AIと大規模言語モデルの構築は、さまざまな高速化ワークロードの全体的なコンピューティング・ワークロードの複雑化と相まって、今後数年間にわたって高速コンピューティング/AIサーバーの需要を拡大し続けるはずです。AIサーバーの出荷台数は、今後4年間でCAGR(年平均成長率)30%で増加し、2023年の120万台から2027年には340万台(1サーバーあたり8GPU)になると予想されます。(中略)AIサーバーは2023年のアステラの売上高の75%を占めており、今後も複数年にわたるAIサーバー増強の恩恵を強く受けると予想されます」

サー氏はアステラ株を「オーバーウエート(=買い)」とし、85ドルの目標株価は、今後12カ月で14%の上値余地を示唆しています。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、これまでのアナリストレーティングは、「買い」が8人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は84.67ドルで、今後12カ月で最大14%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Reddit or Astera Labs: J.P. Morgan Selects the Superior AI Stock to Buy原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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