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ウォール街が注目する「強気買い」バイオテク株3銘柄

ストーリーハイライト

ウォール街は、堅牢な研究開発パイプライン(新薬候補)と大きな長期成長の可能性を秘めたバイオテクおよびヘルスケア銘柄に強気な見通しを示しています。

株式市場は年初来で堅調に推移していますが、手頃な株価でありながら、高い成長性を備えた銘柄は少なくありません。バイオテクノロジー業界では、遺伝子治療から低侵襲性の病気診断まで、イノベーションにより健康と医療の様々な側面を改善できる企業が多数存在します。

本稿では、強気相場の続くバイオ医薬品業界で、アナリストのコンセンサス評価が「強気買い」の3銘柄(ゾエティス、イグザクト・サイエンシズ、アストラゼネカ)に注目します。

TipRanksの比較ツールを使い、手頃な株価でありながら多くのウォール街アナリストの心をつかんでいる3つのバイオテク銘柄を確認します。

ゾエティス (Zoetis,NASDAQ:ZTS)

多くの革新的なバイオテクノロジー企業が、次の大ヒット治療薬を生み出すために大規模投資を行い、特許取得などで激しい競争を繰り広げています。しかし、ペットと家畜のヘルスケア分野では競争がそれほど激しくないとみられており、ゾエティスは米国の大型ペットケア専門企業です。

もちろん、有望なパイプライン薬剤が臨床試験に失敗すれば、ゾエティス株も乱高下する可能性はあります。しかし、市場のリーダーであり、豊富なパイプラインと世界最高レベルのペットケア人材を擁する企業であることから、長期保有に値するとみられます。

犬猫向け治療薬がゾエティスの成長を大きく牽引

ゾエティスは、非常に成功した新製品の発売実績を持つトップ企業です。直近では、犬や猫向けの変形性関節症(OA)治療薬のLibrelaやSolensiaなどの製品が、同社の成長を大きく牽引しています。最新の四半期決算では、こうしたOA薬が、ペット向け製品セグメントの海外売上高を13%押し上げる大きな役割を果たしました。

ゾエティスの予想株価収益率(PER)32.6倍は、特殊医薬品・ジェネリック医薬品メーカーの業界平均PERの41.3倍よりもはるかに低水準となっています。

ゾエティス株の目標株価は?

TipRanksによれば、ゾエティス株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、7人全員が「買い」を付けており、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は226.14ドルで、今後12カ月で35.3%の上値余地を示唆しています。

イグザクト・サイエンシズ (Exact Sciences, NASDAQ:EXAS)

イグザクト・サイエンシズは、がん診断分野で最も魅力的なイノベーターの1社です。従来のがん検診方法は(大腸がん検診のための大腸内視鏡検査など)、侵襲的であるため敬遠されることが多く、また、高額な費用がかかる可能性があります。同社は画期的なイノベーションでがん検診市場の変革を続けています。

キャシー・ウッド氏も認める破壊的イノベーター

イグザクト・サイエンシズが破壊的なイノベーターでなければ、著名投資家のキャシー・ウッド氏率いる複数のアーク・インベスト・ファンドに組み入れられることはなかったでしょう。同社を代表するCologuard(大腸がん検出向けの便検査製品)は、昨年の出荷数が過去最高を記録し、検査件数は400万件を超えました。今後もマーケティング活動を強化し、より侵襲性の低い検査方法が広く認知されるにつれ、業績は堅調に推移すると予想されます。

イグザクト・サイエンシズ株は、3月下旬に有望な食道がん検査製品Oncoguardの試験データが公表されたことにより上昇しました。同社は新たな検査製品開発に積極投資を続けており、現在は高値から53%下落している株価が反転するのは時間の問題と考えられます。

イグザクト・サイエンシズ株の目標株価は?

TipRanksによれば、イグザクト・サイエンシズ株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、14人全員が「買い」を付けており、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は92.17ドルで、今後12カ月で24.1%の上値余地を示唆しています。

アストラゼネカ (AstraZeneca, NASDAQ:AZN)

英国のグローバル製薬・バイオテクノロジー企業であるアストラゼネカの株価は、ここ2年ほど横ばい圏で推移しており、ピーク時からは10%超下落しています。新型コロナワクチン売上の急減の影響を受けています。

それでも、2023年にはコロナ関連事業の需要が減少したにもかかわらず、売上高を6%伸ばすことに成功しました。がん領域および希少疾患治療に関する強固なパイプラインを持っており、同社株に対するアナリストの強気の見方が続くのも、もっともな話です。

がん治療薬パイプラインに大きな期待

特に同社のがん治療薬パイプラインには、大きな期待が持てます。先週、同社と日本の第一三共が共同開発する乳がん治療薬Enhertuが同種の治療として初めて特定用途で使用されることが承認されました。また、今年初めに肺がんの特定形態に対して化学療法と併用されるTagrissoの承認も得ています。

現在の予想PERは16倍程度で、今回紹介する3銘柄の中で最も割安感がある銘柄と言えそうです。

アストラゼネカ株の目標株価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が6人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は81.95ドルで、今後12カ月で19.8%の上値余地を示唆しています。

結論

上記の3社は、魅力的な成長をもたらす可能性を秘めており、かなり興味深い(そして独自性のある)イノベーションを抱えています。この中では、アナリストは今後1年間ではゾエティス株に最も大きな上昇余地を見出しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、ZTS, EXAS, AZN: Which Biotech Stock Is the Better Buy?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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