ストーリーハイライト
小売業界は刻々と変化していますが、巨大企業のウォルマート(NYSE:WMT)はその中では依然として過小評価されている革新的企業の一つです。優れたプライベートブランド「グレートバリュー」と強力なeコマースで、2024年のブレイクを目指すウォルマート株にはここでも「グレートバリュー」があります。
ウォルマートの株価は最近、上昇傾向にあり、2023年11月につけた史上最高値に迫っています。
デジタル、AIの両面で適応
ウォール街のアナリストの間では、ウォルマート株は現在「強気買い」のコンセンサス評価を得ており、デジタル、そしてAI(人工知能)の時代に適応しようとしている旧来型の巨大小売企業に、強気にならないわけにはいきません。
この記事では、2024年以降にウォルマートが上昇する可能性がある主な要因について見ていきます。
「新生ウォルマート」には、よりプレミアムな価値の可能性
ウォルマートは長年にわたり、小売業界における影響力を維持するためにテクノロジー投資を惜しまない姿勢を示してきました。そして今、Eコマース、デリバリー、Walmart+サービス(デリバリーなどの有料会員サービス)の強化といった先進的な取り組みとは別に、ウォルマートは拠点をさらに拡大する用意があるようです。
同社は最近、今後5年間で150店舗を新規出店する意向を表明しました。同社は実店舗に賭ける一方、Eコマースもフル回転させ続けているため、ディスカウント・オムニチャネル(多チャンネル)小売企業と見なすことができます。そのため、ウォルマート株は現在よりも高いバリュエーションに値するかもしれません。
現在、ウォルマート株は株価収益率(PER)28.1倍で取引されており、これは5年平均の32.0倍を下回る水準です。
デジタル、実店舗の両面で魅力的なオムニチャンネル・プレーヤー
もちろん、ウォルマートはeコマースで優位に立つデジタル小売企業ではないかもしれません。その称号は、eコマースの王者アマゾン・ドット・コム(NASDAQ:AMZN)にあります。
実店舗の面では、ライバルの会員制倉庫型小売企業のコストコ(NASDAQ:COST)に強力な追い風が吹いています。
いずれにせよ、ウォルマートはデジタルや実店舗のマスターではないかもしれませんが、両方の領域で確固たる存在感を示しています。そのため、現在メガ小売企業の中で最も魅力的なオムニチャネル・プレーヤーの1社と考えられます。
「グレートバリュー」からAIまで、多くの楽しみ
コストコには「カークランドシグネチャー」プライベートブランドがあり、高品質かつ低価格の様々な商品を揃えており、消費者にとって大きな価値があります。しかし、ウォルマートには独自の「グレートバリュー」ブランドがあり、ここ数年のインフレ圧力の中、消費者の節約に大いに貢献しています。さらに、ウォルマートは顧客体験全体を豊かにするために、会話型AIに取り組んでいます。
同社がインフレ後の経済状況下でラベルの改善を図る中、多くの消費者が「グレートバリュー」ブランドに固執することは想像に難くなく、カークランドに一矢報いることができるかもしれません。同社がデジタルでの存在感をさらに強めれば、ライバルであるコストコをついに凌駕できるかもしれません。
ウォルマートが、強力なプライベートブランドやAI技術への投資を続けることで、消費者は必需品や一般消費財全般で、より簡単に節約できるようになるでしょう。
アナリストによると、ウォルマート株は「買い」?
TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が25人、「中立」が4人で、コンセンサス評価は「強気買い」となっています。平均目標株価は180.14ドルで、今後12カ月で6.8%の上値余地を示唆しています。アナリストの目標株価のレンジは、安値163.00ドルから高値210.00ドルまでです。
結論
ウォルマートを全般的に見た場合、ローテクの分野に入れられるかもしれません。しかし、ライバル(コストコやアマゾン)を偉大にしたのと同じことを、ウォルマートは多く行っています。ウォルマートがテクノロジー面で改善を続けられれば、今後数年間は、バリュエーションの拡大という大きな恩恵にあずかれる可能性があります。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Walmart Stock (NYSE:WMT): This Retail Behemoth Presents Great Value原文の翻訳を中心にまとめています。
米国株