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ASML株:アナリストが注目する半導体の勝者

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株式セクターでは、すべての公開証券が本質的に市場リスクを抱えているため、確実なものはほとんど存在しません。とはいえ、見逃せない企業があるとすれば、ASML(NASDAQ:ASML)でしょう。半導体製造において最も先進的かつ重要な露光技術である極端紫外線(EUV)リソグラフィーを専門とする同社は、グローバルな半導体バリューチェーンに欠かせない存在だからです。そして、多くのアナリストが同社について強気です。

ASMLの強固な市場独占力

ASML株の長期保有を検討する主な理由の一つは、同社の比類なき「堀(強力な競合優位性)」です。ASMLは特許で保護されたEUV関連技術を享受しており、これにより、この分野で効果的に法的独占が可能になっています。

ASMLのリソグラフィー・システムは、従来の露光技術では実現できない、10nm(ナノメーター)以下の微細なパターンの形成を可能にします。

このようなリソグラフィー・サービスを提供しているのはASMLだけです。したがって、実質的にすべての半導体メーカーは、競争力を維持するためにASMLのソリューションを必要としています。

ASMLが享受する巨大な潜在的市場規模

ASML株の長期的な機会に関して投資家を引きつけるもう1つの要素は、そのTAM(獲得可能な最大市場規模)です。簡単に言えば、それは巨大であり、このエコシステムがすぐに衰退する兆候はありません。

EUVリソグラフィー市場そのものを見てください。MarketsandMarketsによると、このセクターのバリュエーションは2023年に94億ドルに達しました。2028年には253億ドルに達する可能性があります。そうなると、年平均成長率(CAGR)は21.8%となります。

さらに、ASMLの株価を支える事業は、EUVリソグラフィープロセスだけでなく、半導体製造分野の大部分をカバーしています。Precedence Researchによると、世界の半導体市場規模は2022年に5,918億ドルに達しました。2032年には、このセグメントは1兆8,800億ドル以上に達する可能性があります。これはCAGRで12.28%に相当します。

インテル(NASDAQ:INTC)のような有力企業が、ASMLの膨大な顧客基盤を形成しています。基本的に、金利が下がろうが、雇用が増え続けようが、今年何が起ころうが、ASML株を支えるシナリオは盤石と考えられます。

割安ではないが、非常に予測可能

ASML株のPER(株価収益率)は33.6倍と、一部の割高な半導体関連企業ほど高くはありません。それでも、半導体セグメントのPERが30倍未満であることから、ASMLは割安とは言えません。

とはいえ、投資シナリオの主眼は予測可能性です。前述の通り、半導体企業はリソグラフィー・サービスを必要とします。したがって、ASMLの投下資本利益率(基本的に、同社が収益性の高い投資のために資本をいかに効率的に活用するか)が2019年度以降、着実に上昇していることは驚くべきことではありません。

アナリストによると、ASML株は「買い」か?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が4人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は811.75ドルで、今後12カ月で14.9%の上値余地を示唆しています。

結論

株式市場には、間違いのない投資はありえず、リスクを伴います。とはいえ、合理的に信頼できる揺るぎない投資アイデアであれば、それはASMLでしょう。同社のEUVリソグラフィー事業の重要性により、かなり確実な将来性があると考えられます。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、ASML Stock: Build Confidence with This “Boring” Semiconductor Winner原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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