米国株

アナリストが注目するラスベガスのエンターテインメント株

ストーリーハイライト

スフィア・エンターテインメント(SPHR)とウィン・リゾーツ(WYNN)はラスベガスで最もエキサイティングな2社です。今年、アナリストはラスベガスの両エンターテインメント企業の株価が上昇すると予想しています。

ラスベガスは、カジノだけでなく、エンターテインメントも充実

ラスベガスは、人々がギャンブルを楽しむために飛行機で訪れる砂漠の真ん中のオアシスというだけではありません。ラスベガスと聞けばすぐにカジノが思い浮かびますが、ラスベガスを真にユニークな場所にしているのはそれだけではありません。実際、ラスベガスのエンターテイメント・オプションの数は急速に増加しており、ギャンブルをしなくてもラスベガスで楽しむことができます。

そこで今回は、ラスベガス関連で最も優れたエンターテインメント株2つに焦点を当て、TipRanksの比較ツールで、2024年に向けてどちらがよりアップサイドをもたらすかをチェックします。

スフィア・エンターテインメント (NYSE:SPHR)

スフィア・エンターテインメントが所有する「スフィア」は、世界最大の球形LEDスクリーンを擁する球形複合アリーナで、初のタイプのエンターテインメント施設です。16万ピクセル×16万ピクセルの地球上で最も高解像度のスクリーンを誇り、ラスベガスの新名所となっています。会場の外観は写真でご覧になったことがあるかもしれませんが、入場料に見合う価値があるのは中身の方だと考えられます。

2023年9月にオープンしたこの会場では、現在U2がたびたびコンサートを行っており、チケットは決して安くはありません。出演者の大ファンであるか、スロットマシーンで幸運に恵まれない限り、手が出ないかもしれません。にもかかわらず、人々は18,000席の劇場に詰めかけることをためらいません。実際、スフィアの魅力のひとつはその斬新さにあります。

格闘技団体UFCもスフィアで試合開催へ

スフィアとそのゲームチェンジャー・テクノロジーは、ライブイベント体験を本質的に再発明するものだと考えられます。伝えられるところによると、UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ、米国の総合格闘技団体)が将来の試合のために会場を予約したとのこと。この未来的な会場の可能性が試される大イベントとなるでしょう。

スフィアが魅力的なのはイベントの開催だけではありません。スフィアの外観は、大金を呼び込むことができる超大型広告塔として機能します。伝えられるところによると、企業はスフィアの外側に1日あたり45万ドル(約6,600万円)で広告を展開できます。

今のところ、スフィアの外見や内部が印象的だからといって、その株を買うのは時期尚早のようです。スフィアは、ラスベガスを越えて成長することを望んでいます。しかし、会場の外観が信じられないほど明るいことを考えると、最近スフィアがロンドン進出を市長に阻止されており、新しい市場に参入するのはやや困難とみられます。

アナリストによると、スフィア株は「買い」?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が2人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価の35.00ドルは、今後12カ月で11.6%の上値余地を示唆しています。

ウィン・リゾーツ (NASDAQ:WYNN)

ラスベガスのホテルとゲーム体験に豪華さを求めるなら、ウィン・リゾーツを超えるのは難しいでしょう。なお、ウィンはマカオにも大きな施設を持っていますが、マカオは中国の景気後退の中でうまくいっていません。それでもウィンのラスベガスにおける継続的な強さは、株価を大きく動かす可能性があります。リゾート・シーンのプレミアム・プレーヤーとして、アナリストは強気の見方を続けています。

ウィン株は過去5年と10年でそれぞれ14%と47%下落し、不振に陥っていました。ラスベガスの旅行関連の景気循環性が影響しています。しかし、マクロ環境が時間の経過とともに回復すれば、ラスベガス(とマカオ)で最高のリゾート・プレーであるウィンの株価は、回復する可能性があります。

五つ星アナリストがウィンを評価

ドイツ銀行(NYSE:DB)の五つ星アナリスト、Carlo Santarelli氏は最近、ウィン・リゾーツを今年のトップ・ゲーミング銘柄の1つとして評価しており、潜在的な株価上昇要因の1つとして売上拡大を挙げています。Santarelli氏は、目標株価を124ドルとし、今後12カ月で31%以上の上値余地を示唆しています。

アナリストによると、ウィン株は「買い」?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が9人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の112.14ドルは、今後12カ月で19.2%の上値余地を示唆しています。

結論

2万人を収容できるT-Mobileアリーナでのホッケーの試合から、U2がコンサートを行っているスフィアのような目を見張るような会場まで、ラスベガス大通りは大勢の旅行者を呼び込むイベントに事欠きません。スフィアとウィンは、2024年に向けて魅力的なエンターテインメント・オプションです。なお、現時点では、アナリストはウィンの方により高い上値余地(19.2%)を予想しています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、SPHR vs. WYNN: Which Vegas Entertainment Stock is Better?原文の翻訳を中心にまとめています。

米国株
この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
最新記事