米国株

どのサイバーセキュリティ株を買うべきか?:注目の3銘柄を紹介

ストーリーハイライト

2023年にサイバーセキュリティ関連銘柄は、2022年の苦境から回復し、大きく上昇しています。2024年を迎えても、さまざまなカタリストが株価上昇を後押しする可能性があります。

サイバーセキュリティ関連銘柄は、2022年のテック関連銘柄の下落局面ではそれほどディフェンシブではありませんでしたが、2023年は非常に堅調でした。2024年に向けては、金利の低下と人工知能(AI)の登場により、サイバーセキュリティ関連銘柄の強靱性が高まることが予想されます。AIの時代には、最高のサイバーセキュリティ(予防と事後対策)防御を整えることがより重視されるでしょう。実際、サイバー脅威自体が時とともに進化していくため、警戒が重要であることに変わりはありません。

そこで、TipRanksの比較ツールでサイバーセキュリティ関連の3銘柄を取り上げ、新年に向けてウォール街がどのような立ち位置にあるかを見てみます。

クラウドストライク (NASDAQ:CRWD)

クラウドストライクは、米国の主要なサイバーセキュリティテクノロジー企業です。現在の時価総額610億ドルの同社は、年初来で約145%急騰し、前年の下落の大部分を回復しました。株価は、2024年に史上最高値を更新することを見据えています。

ウォール街コミュニティは、クラウドストライク株を依然として「強気買い」と見ています。ウェルズ・ファーゴ(NYSE:WFC)は最近、クラウドストライクをサイバーセキュリティ分野のトップピック2社のうちの1社に選んでいます。さらに、バークレイズ(NYSE:BCS)の別の強気アナリストは、さらなる上昇をもたらす可能性のある主要なカタリストとしてAIを挙げています。

クラウドストライクのCharlotte AIは、サイバープロセスの多くの側面を自動化するもので、ベータ版から移行すれば、真のゲームチェンジャーとなる可能性があります。

また、AIの優秀さとは別に、投資家は同社の強固なキャッシュフローも評価すべきです。バークレイズのアナリスト、Saket Kalia氏が言うように、クラウドストライクは単なる優れた成長企業ではなく、「強力なキャッシュフローの裏付け」に支えられた企業なのです。

クラウドストライク株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が34人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の258.77ドルは、今後12カ月で0.6%の上値余地を示唆しています。

ゼットスケーラー (NASDAQ:ZS)

クラウドベースの企業向けサイバーセキュリティ企業のゼットスケーラーは、ウェルズ・ファーゴのサイバーシーンにおけるトップピックリストのもう1つです。ゼットスケーラーは、年初来で98%強上昇しています。時価総額は324億ドルで、クラウドストライクよりも小さいです。

重要なのは、SEC(米国証券取引委員会)が最近サイバーセキュリティ侵害に関する新しい規則を課したことです。サイバーセキュリティ報告が、財務報告と同じくらい重要になる時代が到来する可能性があります。新しいルールは、企業に予防的対策により多くの資金を割り当てるよう促すだけでなく、侵害が発生した場合に企業が SEC の報告基準を遵守することを促しています。

ゼットスケーラーのRisk360プラットフォームは、マッコーリーのFred Havemeyer氏によれば、SECの新規則から大きな恩恵を受けるとみられます。

ゼットスケーラー株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が28人、「中立」が6人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の224.28ドルは、今後12カ月で1.3%の下値余地を示唆しています。

パロアルトネットワークス (NASDAQ:PANW)

サイバーセキュリティの大手企業であるパロアルトネットワークスも、年初来で109%上昇しています。株価は史上最高値を更新し、同社は今や時価総額950億ドルの大企業です。ウォール街は全体としては依然として強気ですが、Raymond Jamesの最近の格下げ(「買い」から「中立」)は無視できません。

Raymond Jamesは、2023年に2倍以上に上昇した株式のファンではありません。同社は、パロアルトの成長見通しをまだ支持していることを認めましたが、「リスク・リターン」が魅力的ではなくなっていると指摘しています。

確かに、サイバーセキュリティの主要銘柄はいずれも、年初来でかなり上昇してきています。しかし、パロアルトは、迫り来るマクロの逆風に直面している他のエンタープライズ・ソフトウェア企業よりも脆弱ではないとみられます。企業にとって、サイバーセキュリティは手を抜くべき分野ではありません。

ウェドブッシュは、パロアルトはサイバーセキュリティ・ソリューションに対する旺盛な需要から好調に推移すると考えており、目標株価を290ドルから350ドルに引き上げています。

パロアルトネットワークス株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が29人、「中立」が5人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の300.94ドルは、今後12カ月で0.5%の下値余地を示唆しています。

結論

サイバーセキュリティ関連銘柄は、年初来でかなり上昇していますが、新年を迎えるにあたり引き続き勢いがあります。ウォール街は依然として強気で、生成AIの台頭やサイバーセキュリティに関するSECの新ルールからサイバーセキュリティ業界が恩恵を受けると見ています。

この3銘柄のうちでは、クラウドストライクが最も「買い」レーティングの比率が高く(「買い」35人、「中立」2人)、アナリストには最も魅力的な銘柄に映っています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、CRWD, ZS, PANW: Which Cybersecurity Stock is the Better Buy?原文の翻訳を中心にまとめています。

米国株
この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
最新記事