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ストーリーハイライト
iシェアーズMSCI中国ETF(NASDAQ:MCHI)は、中国株に特化した最大のETFです。TipRanksのスマートスコアシステムによれば、保有銘柄は割安かつ高評価です。
中国株の投資家にとって、このところ喜ばしいことがありませんでした。iShares MSCI China ETFは年初来で10.3%下落しており、10月31日現在、過去3年間でマイナス17.4%という年率リターンとなっています。
しかし、良い時代が来る可能性があります。中国株は米国の同業銘柄に比べて際立って割安です。さらに、アナリストはMCHIの平均目標株価に基づき、上昇余地が大きいと見ており、TipRanksのスマートスコアシステムは、MCHIにアウトパフォーム相当の評価を与えています。
MCHI ETFの戦略
iシェアーズによると、MCHIは、海外投資家が利用可能な中国株で構成される指数の投資結果に連動することを目指します。投資家に「中国の大企業と中堅企業」の両方にエクスポージャーをもたらし、「中国株式市場への的を絞ったアクセス」を提供します。
運用資産(AUM)は67億ドルで、中国に特化した米国最大のETFです。
魅力的なエントリーポイント
MCHIのパフォーマンスはここ数年芳しくありません。10月31日現在、同ETFは過去3年間で年率17.4%の損失、過去5年間で年率3.3%の損失を出しています。過去10年間では、わずか0.5%の年率プラスリターンですが、これは明らかにS&P500指数(SPX)を大きく下回るリターンです。
とはいえ、好転の余地は十分に残されており、過熱していない市場を探している投資家にとっては魅力的なエントリーポイントです。
中国株は現在割安です。MCHIの保有銘柄の平均PER(株価収益率)は12.2倍で、S&P500指数の20.4倍より大幅に割安です。
市場市場への幅広いエクスポージャー
MCHIは、投資家に中国市場への幅広いエクスポージャーを提供します。同ETFは644銘柄を保有し、上位10銘柄がファンドの41.3%を占めています。
以下は、TipRanksの保有銘柄ツールによるMCHIの上位10銘柄の概要です。
MCHIの上位保有銘柄は、テンセント (OTC:TCEHY)、アリババ (NYSE:BABA)、PDDホールディングス (NASDAQ:PDD、通称はピンドゥオドゥオ)などで、米国でもよく知られている銘柄です。
しかし、MCHIと、iシェアーズ中国大型株ETF(NASDAQ:FXI)やクレーンシェアーズCSI中国インターネットETF(NASDAQ:KWEB)のような他のトップ中国ETFとの主な違いは、MCHIのポートフォリオは644の銘柄で構成されており、中国の有名企業をはるかに超え、中国経済のあらゆる側面の企業に投資していることです。
前述したように、これらの上位銘柄のバリュエーションは割安です。アリババの株価は特に割安で、8.7倍の予想PERで取引されています。アリババは、米テック株を押し上げているのと同じAI(人工知能)の追い風の恩恵の多くを受ける可能性がありますが、株価が同じような上昇にはなっていません。JDドット・コム(NASDAQ:JD)もまた、予想PER8.6倍で取引されています。
良好なスマートスコア
こうした控えめなバリュエーションに加え、特筆すべき点は、上位保有銘柄のスマートスコアが素晴らしいことです。スマートスコアは、TipRanksが独自に開発した定量的な株式スコアリング・システムです。スマートスコアは、8つの市場主要要因に基づき、銘柄を1から10までのスコアで評価します。8点以上はアウトパフォームと評価されます。
MCHIの上位10銘柄のうち、8銘柄がアウトパフォーム相当のスマートスコア8以上を獲得しているだけでなく、上位4銘柄のうち、テンセント、アリババ、PDDの3銘柄がスマートスコア「パーフェクト10」を獲得しています。さらにネットイース(NASDAQ:NTES)、BYD (OTC:BYDDF)、中国平安保険 (OTC:PIAIF)を加えると、MCHIの上位保有銘柄の半数以上が、可能な限り最高のスマートスコアを獲得しており、ポートフォリオの強さを示しています。
MCHI自体のETFスマートスコアはアウトパフォーム相当の8です。
MCHIの配当は?
MCHIのもう一つの恩恵は、配当を出していることです。配当利回りは2.6%と大きくはありませんが、S&P500指数の平均配当利回りよりはかなり高いです。さらに、MCHIは2011年の設定以来13年連続で配当を出しています。
なお、MCHIは、多くの国際株式やETFと同様に、米国投資家が慣れ親しんでいる四半期ベースではなく、半期ベース(年2回)で配当を支払っていることを認識することが重要です。配当額は変動する可能性があり、MCHIは今年も含め、投資家に特別配当を支払うことがあります。
MCHIの経費率は?
MCHIの経費率の0.58%は比較的高い方でしょう。この経費率は、1万ドルを投資した場合、1年間で58ドルの手数料を支払うことを意味します。
これは、通常のETFよりもやや高額ですが、中国市場にアクセスし、現地上場株式に投資することは、中国国外の投資家にとって難しく、コストがかかることに留意すべきです。さらに、MCHIの経費率は、前述したETFのKWEB(0.69%)やFXI(0.74%)よりは低いです。
アナリストによれば、MCHIは「買い」か?
ウォール街に目を向けると、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が134人、「中立」が506人、「売り」が5人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標価格の56.09ドルは、今後12カ月で29.7%の上値余地を示唆しています。
結論
MCHI ETFは近年大きく下落していますが、新規の買い手にとっては魅力的なエントリーポイントとなる可能性があります。MCHIの平均PER12.2倍に基づくと、中国株は米国の同業銘柄に比べて非常に割安に見え、今後興味深い投資機会となります。
MCHIは中国関連では最大のETFであり、同様なETFよりも低い経費率となっています。さらに、多くの米国投資家がよく知る主要中国企業だけでなく、中国市場に関して包括的なエクスポージャーを投資家に提供するという点で差別化されています。
ウォール街のアナリストはMCHIに大きな上値余地があると見ており、TipRanksのスマートスコアシステムも、同ETFとその上位保有銘柄の多くを高く評価しています。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、MCHI ETF: Largest Chinese ETF Looks Like a Bargain原文の翻訳を中心にまとめています。
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