米国株

「強気買い」の小売株3銘柄:ルルレモン、TJX、ソノス

ストーリーハイライト

景気後退の可能性により、消費財関連銘柄は、程度の差こそあれ、株価下落の圧力にさらされています。多くの小売企業がホリデー商戦への期待を弱めています。それでも、このような低いハードルは、懸念される以上の好業績をもたらす可能性があります。アナリストは、消費動向によって大きな恩恵を受ける可能性のあるいくつかの小売関連銘柄(ルルレモン、TJX、ソノス)に強気です。

TipRanksの比較ツールを使って、ホリデーシーズンに向けてウォール街アナリストが楽観的な見方を続けている3銘柄をチェックします。

ルルレモン (NASDAQ:LULU)

ヨガウェア・メーカーのルルレモンは、消費者が裁量的支出を控える中、トレンドに逆らってきました。実際、過去2年間の回復力には目を見張るものがあります。株価は2021年の高値からまだ約15%下落していますが、ナイキ(NYSE:NKE)のような他のアパレルメーカー(ピークから40%以上下落)に比べれば、最近の株価低迷は顕著ではありません。

ルルレモンのPER(株価収益率)は、アパレル小売業界の平均である25.5倍をはるかに上回る、約51倍で推移しています。とはいえ、アスリージャー(スポーツウェアと普段着を兼ねたファッション)の領域にどれほど大きな余地があるかを考えれば、このような倍率は正当化されるかもしれません。ルルレモンはアスリージャーのパイオニアであり、アスリージャー・アパレルシーンのあらゆる場所に新たなライバルが出現する中でも、疾走し続けています。

ルルレモンは、S&P500(SPX)指数の新構成銘柄であり、個人消費が本格的に回復するのであれば、価値ある成長ストーリーになるとみられます。

ルルレモン株の目標株価は?

直近3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」17人、「中立」3人、「売り」1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は443.19ドルで、今後12カ月で9.8%の上値余地を示唆しています。

TJX (NYSE:TJX)

TJXは、過去最高値から4%だけ下落しているオフプライス(最終・過剰在庫のブランド品を買い取り、割引販売すること)アパレル企業です。TJXの直営店(TJMaxxとMarshalls)で売られているオフプライス衣料品は、消費者があらゆる買い物で最大限の価値を求めようとするため、極めて好調に推移しています。

たとえ消費が回復したとしても、TJX直営店でお得に買い物をした消費者が、急に他のお店で買い物をするとは思えません。そして、景気が悪くなれば、消費者はいっそう割安な商品を求めるでしょう。景気が回復した場合には、消費者は普通のお店で正規価格での買い物を増やすよりも、TJMaxxでもっと多くを買う可能性が高いとみられます。

本稿執筆時点のTJXのPERは、アパレル小売業界平均の25.5倍より少し高い26.4倍で推移しています。

TJX株の目標株価は?

直近3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」17人、「中立」2人です。平均目標株価株価100.39ドルは、今後12カ月で11.6%の上値余地を示唆しています。

ソノス (NASDAQ:SONO)

オーディオ機器メーカーのソノスは、この記事で紹介している小売関連株の中で最もパフォーマンスが悪いです。株価は2021年のピークから75%近く下落しており、再び新高値を更新するには4倍上昇する必要があります。それでもアナリストは、同社が今後1年間で堅実なリターンを提供できると確信しています。

ソノスは、スマートスピーカーやワイヤレスホームサウンドシステムなど、高品質のサウンドシステムで定評があります。しかし近年は、多くの大手テクノロジー企業がAIアシスタントを完備した独自のスピーカーを発売しており、この分野は競争が激化しています。実際、ソノスの製品は、ありふれたアマゾンのスマートスピーカーEchoと比べるとかなり高価です。とはいえ、市場のプレミアム・サイドはソノスのものと考えられます。

Rosenblatt証券は最近、ソノス株のカバレッジを開始し、「買い」レーティングを付け、ソノスのイノベーションを今後の売上促進における重要な差別化要因として挙げています。しかし、消費者が高価なオーディオ機器に手を出すには、さらなる消費回復が必要と考えられます。

ソノス株の目標株価は?

直近3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」4人、「中立」1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価20.75ドルは、現在からなんと86.8%の上値余地を示唆しています。

結論

消費の回復力を軽視すべきではないでしょう。消費者は一般消費財への出費を選別し、慎重になっていますが、小売企業は競争に打ち勝つことができれば、まだまだ上昇する可能性があります。ご紹介した3銘柄のうち、アナリストが最も上昇の可能性が高いと見ているのはソノス株(86.8%)です。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Strong-Buy-Rated Retail Stocks to Play a Consumer Recovery原文の翻訳を中心にまとめています。

米国株
この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
最新記事