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アナリストが注目する3つのファッションアパレル株:ルルレモン、アディダス、ギルダンアクティブウェア

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アパレル株は、秋のシーズンでは市場の割安棚に並ぶかもしれません。そして逆風が吹く中、投資家はアパレル株の高値を目指す過程でボラティリティに備える必要がありそうです。

アパレル株(ルルレモン、アディダス、ギルダンアクティブウェアなど)は、消費者が直面する継続的な困難(インフレ、値ごろ感、高金利、経済状況に対する信頼感低下)により、過去1年間圧迫されてきました。それでも、最近の株価低迷にもかかわらず、ウォール街は多くのアパレル企業を非常にスタイリッシュ(有望)と評価しています。

アパレルの世界には、本当に素晴らしいブランドがあります。とはいえ、経済成長にブレーキがかかると、アパレルは売れなくなる傾向があります。そして、最近の市場の厳しい状況を完全に克服できるほど素晴らしいアパレルブランドはありません。

アパレル小売業の広範なバスケットに関しては、すでにかなりのダメージが記録されています。経済が再び立ち直るとすれば、大きく下落しているアパレル株は、この水準では割安すぎることが判明するかもしれません。そのため、少なくとも期待値が下がっているとしても、多くのアナリストがアパレル株に背を向けていないのは不思議ではありません。

ウォール街がアパレル株3銘柄をどのように見ているかについて、TipRanksのComparison Toolを使ってチェックしてみましょう。

ルルレモン (NASDAQ:LULU)

 ルルレモン株への投資ほとんど良い考えではなく、特に、マクロ的な乱高下の中で市場がヨガパンツメーカーを魅力的でないと見なしています。相対的に言えば、ルルレモンは、過去5ヶ月間、株価が横ばいで、むしろアパレル業界の中では強靱な方でした。それでも、株価は2021年後半の史上最高値である1株あたり約485ドルから25%近く下落しています。

私はこのブランドの大ファンであり、消費者直接(DtoC)販売に関する長期的な成長機会があると思います。しかし、少なくとも、もっと割安になっている印象的なアパレル小売銘柄が他にある以上、現在のルルレモンのバリュエーションはあまり意味があるとは言えません。ウォール街はルルレモンを支持していますが、私は弱気で、下値抵抗線はもっと下だと思います。

この記事を書いている時点では、ルルレモンの株価は実績PER47.8倍という高水準で取引されており、アパレル小売業界平均の24.7倍をはるかに上回っています。来年の予想利益をベースにした場合、32.5倍とさらに高くなってしまいます。

ペロトン(NASDAQ:PTON)との共同ブランド商品販売に関する最新の提携は確かに興味をそそるものでしたし、アナリストのレイモンド・ジェームスによるルルレモンの「成長機会」に対する「ストロングバイ」再表明は心強いものでした。とはいえ、景気が上向かない限り、持続的な株価上昇は見込めないでしょう。結局、ルルレモンの強力なブランド親和性と成長の道筋はすでに株価に織り込み済みであり、同業他社グループに対して大きなプレミアムで取引されています。

ルルレモンの長期的なロードマップは明るいですが、現在、アパレル株にはより良い機会があると私は思います。

ルルレモン株の目標株価は?

アナリストによると、ルルレモンは「ストロングバイ」であり、過去3ヶ月で16の「バイ」と3つの「ホールド」が付けられています。さらに、LULUの平均株価目標453.00ドルは、23%の上値余地を示唆しています。

アディダス (OTC:ADDYY)

強いブランドといえば、アディダスもアナリストコミュニティから「ストロングバイ」の評価を得ています。ルルレモンと同様、アディダスの株価も過去2四半期はあまり振るっていません。2021年から22年にかけての大きな売り局面があり、株価は史上最高値から55%下落しています。株価は、2020年の株式市場の暴落時よりも低いほど、ひどい下落となっています。

顕著なプレッシャー(マクロおよび企業固有)がある一方で、バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズのアナリスト、デビッド・ルーが指摘している潜在的なカタリストがあります。ルーは、同社の第2四半期の売上総利益率を評価しています。また、ブランドの変化についても言及しています。ルーは、とりわけ年末の新製品発売の可能性について明るい見通しを持っています。

しかし私は個人的には、2022年の安値からの最近の反発が、一時的な小幅回復以上のものであるかどうかは時間が経たないと分からないため、今のところニュートラルでいるつもりです。

現在、株価は予想PER40.5倍で取引されており、アパレル業界の平均を大きく上回っています。アディダスは、Yeezyブランド後に成功する可能性を持つ素晴らしいブランドですが、潜在的なリセッションに直面した場合に、その需要が本当に高まるかどうか私は分かりません。したがって、私はアディダス株に対しては様子見をしています。

アディダス株の目標株価は?

アナリストによると、アディダスは「ストロングバイ」であり、過去3カ月間では4人のアナリストが一致して「バイ」と評価しています。ADDYYの平均株価目標177.74ドルは、111.5%の上値余地があります。

ギルダンアクティブウェア (NYSE:GIL)(TSE:GIL)

カナダの一般衣料品メーカーであるギルダンは、ルルレモンやアディダスのようなブランド力に欠けています。とはいえ、生産コストが低く、ベーシックな(そしてロゴや柄などのプリント可能な)衣料品は常に時代を超えて消費者に受け入れられています。ギルダンのプリント可能な衣料品ビジネスは需要の変動に直面してはいますが、経済の乱高下に対して同社株はディフェンシブプレーとなります。

いずれにせよ、ギルダンの株価は、過去1年半の間、ほとんど何もなかった後、とんでもなく安いです。そのため、私はこの銘柄に強気です。

本稿執筆時点の実績PERは、アパレル製造業平均の15.8倍を大きく下回る10.3倍です。また、配当利回りは良好な2.6%で、M&Aについて慎重な歴史もあります(同社は数年前にアメリカン・アパレルを買収しています)。

いずれにせよ、私はギルダンを堅実なディープバリュー・オプションと見ています。特に、カナダドルに対する米ドルの有利な状況を利用し、国境を越えて取引を行う投資家にとってはそうでしょう(ギルダンはトロント証券取引所でも取引されています)。

ギルダン株の目標株価は?

Gildanのコンセンサス評価は「ストロングバイ」で、過去3ヶ月のアナリストの評価は9件が「バイ」です。GILの平均株価目標37.35ドルは、34.6%の上値余地があります。

結論

アパレル株はここしばらくの間、プレッシャー下にあります。それでも、長期的展望を持つ投資家であれば、株価が下がっている今のうちにアパレル株を取得しておけば、かなり良い結果を得られるでしょう。アナリストの評価を見てください。上記3銘柄の中では、アナリストはアディダス株について111.5%もの上値余地を見ており、4人のアナリストが「バイ」推奨をしています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、LULU, ADDYY, GIL: 3 Fashionable Apparel Stocks Analysts Love原文の翻訳を中心にまとめています。

 

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この記事のライター
フリージャーナリスト。出版社勤務後、1984年4月からフリー転向。以降、月刊宝石や「ダカーポ」などに原稿を執筆。月刊誌の取材・執筆活動のほか、単行本の執筆や編集等を行う。著書に『サイエンススクランブル』『我らチェルノブイリの虜囚』(いずれも共著)がある。2007年11月から2016年1月まで日本で唯一の外国為替証拠金取引(FX)の専門誌月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務める。FXポータルサイト「エムトレ」アドバイザー歴任。
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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