仮想通貨のリスク

ビットコインの取引所は破綻のリスクがある?事例とリスクを解説

ビットコインを購入して投資をするなら仮想通貨取引所を利用しないわけにはいきません。

大手証券会社の山一証券が破綻したように、仮想通貨取引所も一企業である以上、経営が傾けば破綻するリスクがあります。実際、数年前にマウントゴックス社という我が国の仮想通貨取引所が破綻したことは記憶に新しいことでしょう。

そこで今回は、ビットコインの仮想通貨取引所の破綻のリスクについて、事例を交えて解説します。

ビットコインの取引所破綻と事例

ビットコインを取り扱う取引所はトラブルや事情があって破綻してしまうケースがあります。

これまでビットコインの取引所が破綻した事例について、紹介しましょう。

事例1:マウントゴックス社の破綻

1-①マウントゴックス社とは?

マウントゴックス社は、ビットコインを取り扱う仮想通貨取引所のひとつです。

元々は平成21年にトレーディングカードのオンライン交換所として設立された会社で、翌平成22年にビットコイン事業に転換してビットコインの取引所になりました。

その後、業績は急速に伸び、平成25年にはなんと世界全体のビットコイン取引量のうち70%を同社が占めるようになりました。まさに世界屈指の取引量を誇るビットコインの取引所だったといえるでしょう。

1-②サイバー攻撃によるビットコイン消失

順風満帆だった平成26年2月7日、マウントゴックス社でのビットコインの払い戻しが突然、全て出来なくなりました。そして、

  • 顧客からの預かり分:75万枚
  • 自社分:10万枚

あわせて85万枚、115億円相当のビットコインが消失したのです。

システムの不具合をついたサイバー攻撃が原因であったと発表され、同年224日には、全ての取引が停止。資金繰りが悪化したマウントゴックス社は、228日東京地方裁判所に民事再生の申し立てをするに至ります。

1-③真相はマウントゴックス社内の横領事件だった

ところが、このあと事件は意外な方向に。ビットコイン消失の原因がサイバー攻撃ではない可能性が指摘されたのです。マウントゴックス社のコンピュータを確認したところ、社内システムの不正操作によってビットコインが消失していたことが明らかになりました。

つまり事件の真相はサイバー攻撃によるものではなく、マウントゴックス社内での横領事件だったのです。

しかも横領は社長自らが関与していたという疑いが強まり、ついに社長が逮捕されるに至りました。マウントゴックス社に対しては、平成30622日に東京地方裁判所より民事再生手続の開始が決定され、現在は民事再生手続が行なわれているところです。

事例2:ユービット社の破綻

ユービット社とは、韓国の仮想通貨取引所です。

この取引所が、平成29年に複数回にわたる北朝鮮が関与したと思われるサイバー攻撃を受け、1度目の攻撃で4000ビットコインが消失。さらに1219日には総資産の17%を失い、ついに破綻となりました。

事例3:コインチェック仮想通貨流出事件

破綻事例ではなく、仮想通貨取引所がサイバー攻撃を受けて顧客の資産のほぼ100%が流出してしまった事例です。

平成30126日、コインチェック社に保管されている顧客のNEM(ネム)とよばれる仮想通貨資産がサイバー攻撃を受けて外部に送金され、さらに送金先から別の口座に送金されてほぼ100%がなくなってしまいました。

コインチェック社では取引を停止して原因究明に当たりました。流出した仮想通貨は当時のレートでなんと約580億円!しかし同社の自己資金から被害者に補償を行っても債務超過とはならず、コインチェック社は破綻するまでには至っていません。

ビットコインの取引所が破綻する理由

多くの場合、何らかの理由で顧客からの預かったビットコインを消失してしまう事がほとんどです。

サイバー攻撃

サイバー攻撃、いわゆるハッキングですね。

日々の取引に使う程度のビットコインならともかく、大量のビットコインの保管はインターネットと接続していないオフラインの環境で保管する事が鉄則。

ところがビットコインの取引所にオフラインで管理するという意識がなく、しかもセキュリティが甘い場合はサイバー攻撃を受けてしまい、保管していた大量のビットコインが消失してしまう事があるのです。

横領

マウントゴックス社の事例で見られたように、取引所の管理体制が甘ければ、顧客からの預かり金が横領され消失するという事も起こりえます。

ビットコインの取引所が破綻するとどうなるのか

もしビットコインの取引所が破綻した場合、どのような影響があるのでしょうか。

資産の消失

ビットコインの取引所が破綻をきたした場合、取引所内に保管してある仮想通貨を引き出せなくなります。つまり、取引所に預けていた資産が消失するわけです。

価格の下落

前述のマウントゴックス社の事件が起こった際には、ビットコインがなんと3万円から18000円までに暴落しました。マウントゴックス社は非常に大きな規模の仮想通貨取引所でしたから、非常に大きな影響が出てしまったわけですね。

規模の大きな仮想通貨取引所が破綻をきたすと、投資家の心理にも大きな影響を与え、価格が下落してしまうことがあるのです。

保険や補償

我が国では銀行に預けたお金は、預金保険機構によって守られています。仮に預けていた銀行が破産したとしても、

  • 普通預金であれば1000万円以内
  • 決済用預金であれば全額

が保護されるという仕組み。

また証券会社に預けた株式やお金は、証券会社の資産とは別に管理するよう金融商品取引法で義務づけられています。たとえ証券会社が破産しても全て保護され、もし何らかの理由で返ってこなかった場合も、日本投資者保護基金により1000万円まで補償されるのです。

銀行や証券会社に預けた資産は上限はありますが、しっかりと保護されていますね。しかしビットコインの取引所には、持ち主の資産を保護するためのシステムが存在していません。したがって、何があっても補償が受けられないのです。

ビットコインの取引所破綻に備えてできること

大切なビットコインを守るためにできることを紹介します。

対策1:ハードウォレット

ビットコインの取引所の破産によるビットコインの消失から身を守るためには、ウォレットを活用するのが一番です。ビットコインの取引所で購入したビットコインはそのままにせず、ご自身のウォレットになるべく早く移しましょう。

ウォレットにはいろいろな種類がありますが、その中でもハードウォレットとよばれるウォレットがおすすめです。ハードウォレットは新規に購入する必要がありますが、インターネットから切り離されているためハッキングされることはほぼありません。

セキュリティでの安全性が高いハードウォレットは、ぜひ活用しましょう。

対策2:危ない取引所を避ける

危ないビットコインの取引所を見つけるためのポイントを紹介します。

2-①利益の状態

ビットコインの取引所の売上は、その大部分が取引出来高に対する手数料。取引量が多ければ多いほど手数料が増えるわけですから、取引量の多いビットコインの取引所は儲かっているわけですね。

逆に言えば利益が減っているということは、取引量が減っているということ。もちろん取引手数料を減額したという可能性もありますが、それならあらかじめ告示があるはずです。

利益、つまり取引量が減少傾向にあるビットコインの取引所は、避けた方がいいかもしれません。

2-②設立している国

仮想通貨取引所は世界中で設立されています。インターネットで世界がつながっている現在は日本やヨーロッパのみならず、アフリカでも南米でもどこに設立しても仮想通貨を取引できるのです。

しかし設立はどこでも出来ますが、設立や運営に際しての規制は各国まちまち。たとえば日本の場合、ビットコインの取引所は登録制で最低資本金も定められています。アメリカであればアメリカ証券取引委員会の管理下となるのです。

規制がしっかりしている国のビットコインの取引所なら、規制がゆるい国のビットコインの取引所よりも安心。ビットコインの取引所を選ぶときには、設立している国がどこなのかもチェックしておきましょう。

2-③出金上限が定められていない

ビットコインの取引所からの出金金額に上限がないところは、避けた方が安心です。

もし出金金額に上限のないビットコインの取引所がサイバー攻撃を受けた場合、取引所のシステムにつながったウォレットから根こそぎ資金を持っていかれてしまいます。最悪の場合、ビットコインの取引所が破綻をきたしてしまうかもしれません。

引き出し金額に制限があると使い勝手の面では不便ですが、その分リスクは低く抑えることが出来るのです。

まとめ

ビットコイン投資をするなら、ビットコインの取引所の利用はかかせません。しかしビットコインの取引所もひとつの企業ですから、経営状態によっては破産することもあるでしょう。過去には実際に破産事例もありました。

現時点ではビットコインは銀行預金や株式のような保護システムが設けられていないので、仮想通貨取引所が破産すると預けているビットコインは消え去ってしまう可能性があるのです。

購入したビットコインはビットコインの取引所に預けっぱなしにするのではなく、なるべく早期にウォレットに移すようにして、自分自身の手でビットコインを守りましょう。

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